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『Black Hawaii』【和書定価新本】
¥4,800
ハワイの浜辺の夜、美しく呪術的な風景あるいは幻視を、伸びやかな水彩と言葉で描き出す作品集”Black Hawaii”がおすすめです。 フランスで制作活動をする画家、田中麻記子さんのこの作品は、一冊のマジックリアリズム的絵本とも言えるかもしれません。 ビーチに響き渡る、あるいは幻聴なのか、リズムと音階が色彩と渾然となって伝わってきます。 巻末には、2曲入りの7インチ・レコードが付いています。 “ALohahaha” “Surfing with No Waves” この2曲は、ギタリストのマーク・リボーがこの作品のために書き下ろし、弾いたのだとか(聴きたい!)。 “Black Hawaii” Makiko Tanaka HeHe刊
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『オリンピア』【サイン本・和書定価新本】
¥2,750
第二次大戦をきっかけにドイツからカナダへ移住したある家族の物語を7話で描き出す連作短編集のような、7章からなる長編のような一冊。 三代にわたって無名のアスリートとしてオリンピックに関わってきた一家の歴史を戦争を背景としながら描き出す本書は、スポーツや戦争といった言葉のイメージとは反対に、詩的で静謐な小説世界。 水や空気を象徴的に描く筆致は「カズオ・イシグロやジュリー・オオツカなどの傑作にも劣らぬ密度の高さ」と、訳者の越前敏弥さんはあとがきに書きます。 出版社の本書紹介ページ https://www.kkyeditors.com/page0002.html 越前さんのご署名入りの本をご用意しております。特にご指定がなければ、サイン本をお送りいたします。通常品をご希望でしたら、お手数ですがご注文とあわせてメールにてご一報ください。
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たんときれいに召し上がれ 美食文学精選【和書新本アウトレット】
¥1,595
SOLD OUT
【新本50%OFF】アウトレット・ブックスご紹介です。 『たんときれいに召し上がれ』(芸術新聞社) 2022に亡くなった故津原泰水さんが編者となって、明治から現代まで作家たちが書く美食の世界を集めたアンソロジーです。 36人の作品およそ500ページと、津原さんによる全作品の解題つきというボリュームで、定価の半額の1450円+税。文庫にはなっていません。 掲載作家は…… 金子國義 尾崎翠 開高健 澁澤龍彦 古川緑波 倉橋由美子 隆慶一郎 筒井康隆 山田風太郎 C.W.ニコル 谷崎潤一郎 伊藤計劃 夢野久作 芦原すなお 青木正児 上村一夫 村山槐多 南條竹則 北大路魯山人 太田忠司 三島由紀夫 清水義範 中井英夫 澁澤祐子 小林秀雄 色川武大 中島らも 内田百閒 石井好子 種村季弘 長沢節 津原泰水 森鴎外 森茉莉 夏目漱石 正岡子規 (掲載順) ※アウトレット品です。(古書ではなく)新品ですが、日焼けなどがわずかにあります。ご了承ください。
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『楽器の物理学』【和書定価新本】
¥8,250
楽器が鳴るという現象を、ここまで徹底して定量的に、さまざまな原理で発音する楽器たちを網羅して解き明かした本は他にないのではないでしょうか。20年間も版を重ねてきたことも納得の名著です。 楽器と演奏について語ろうとするとき、演奏家や聴き手の主観的で微細な感覚を表現するために、どうしても曖昧な表現や科学的に必ずしも正しいといえない説明をしてしまうことが多くあります。そこからさまざまな俗説が派生して、私たちが共通の尺度で演奏や音色について対話することが難しくなることもしばしば。 本書は手加減なく数式が挟まれ難解な印象こそありますが、文章は明快かつ丁寧で、その楽器が鳴っているとき何が起きているのかを細大漏らさず描き出します。音の発生源である振動そのもの、音波といった原理の解説に始まり、撥弦・擦弦楽器、金管・木管楽器、打楽器それぞれの具体的な解説、素材別の音響特性まで、なるほど!と膝を打つところがいくらでもある充実した内容です。 すぐに読み通せなくても持っていれば必要なときにぜったい頼りになる、そういう本のひとつです。 『楽器の物理学』 N.H.フレッチャー/T.D.ロッシング 著 岸憲史/久保田秀美/吉川茂 訳 丸善出版 刊
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『ストーナー』【和書定価新本】
¥2,860
私たちは歳を重ねてくると、ふと「結局、何者にもなれなかった人生たったな」と、ある種の安らかな諦めを感じることがあるのかもしれません。だけどこれで良かったと、心の底からそう思える瞬間をこの作品は見事に描きます。小説家に挫折した冴えない田舎の老教授が「あのとき気づけなかった」人生の煌めきを再発見する、尊く美しい小説です。 『ストーナー』(ジョン・ウィリアムズ著/東江一紀訳/作品社)
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『ゆきのゆきちゃん』【和書定価新本】
¥2,750
季節の到来とそれを全身で感じるいきものたちの躍動が、心に流れ込んでくる。きくちちきさんの作品に出会うたび、そう思います。 この新作も間違いなくそんな一冊です。墨の筆使いがのびのびとしていて、わくわくします。版画のように刷られた銀がそれを引き立てます。 子どもも大人も外に飛び出したくなるような魅力があります。 『ゆきのゆきちゃん』きくちちき(ミシマ社)
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『ビア・マーグス ビールに魅せられた修道士』【新本和書定価】
¥2,640
中世のビールをめぐる歴史と日常をタイムトラベルで見てきたかのようにありありと体験できるミステリ大河ドラマ小説、『ビア・マーグス ビールに魅せられた修道士』をご紹介します。 13世紀半ばのドイツに貧しい農家の息子として生まれたニクラスはビール作りを志ざし、やがて当代随一の醸造家となり「ビア・マーグス(ビールの魔術師)」と呼ばれるまでに。そして数々の醸造技法を遺して生涯を終えます。幼少期からのライバルにつけ狙われ、天災や事件に翻弄されながら進んでいく彼の生涯を私たちもハラハラしながら追いかけていくうちに、ビールと中世ヨーロッパの歴史に詳しくなってしまいます。 ビールは中世ヨーロッパでは「飲むパン」と呼ばれたといいます。キリスト教徒、とりわけ修道士たちは、断食の期間中であっても飲むことは許されていて、ひとりあたり数リットルもの量を毎日のように飲んだとか。ビールは人々が生きていく上で不可欠な食糧であり、聖職者を虜にし、ときには大国の政治を左右するほど魅惑的な嗜好品でもあったようです。中世ドイツにおける教会や都市をめぐる政治情勢や大事件とそこでビールが果たした役割、ヴァイエンシュテファン、ザンクト・ガレン修道院といったビール史に重要な場所や人物があちこちにに散りばめられ、物語と史実が重層的に進んでいきます。 ニクラスは職人として成長するなかで、パン種を煮込むグルートビールに始まり、薬草のビール、現代的なホップ入りビールへと、挑戦の幅を広げていきます。そこに描かれる技法やレシピ、設備の進化もまたリアリティに溢れていて、読み終える頃には醸造にもすっかり詳しくなっているはず。 著者自身もビール醸造家であり、訳者もドイツの食に詳しくビアソムリエでもあるという本書は、細部まで緻密にビールの世界を描き出してくれます。 『ビア・マーグス ビールに魅せられた修道士』 ギュンター・テメス 著 森本智子・遠山明子 訳 サウザンブックス社 刊
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『いまここ』谷川俊太郎、川内倫子【新本和書定価】
¥2,750
わたしは いつ ? わたしは いま ひとでは うみで ほしの かたち いるいる いま わたしを だいて …… 谷川俊太郎さんの素朴て根源的な言葉と川内倫子さんの光そのものを捉えたような写真が織りなす世界がとても心地いい一冊です。 この世界の背景には、レイ・ハラカミさんとクラムボン原田郁子さんの音楽も存在します。 かつてレイ・ハラカミさんは日本科学未来館のプラネタリウム作品「暗やみの色」の音楽監督を務めました。このプロジェクトに共鳴し参加した原田さんは曲を、谷川さんはそこに詩を、ハラカミさんはサウンド・テクスチャを持ち寄り、「いまここ」という楽曲が生まれました。 この作品世界に川内さんが合流したことで、この美しい一冊が生まれました。「暗やみ」からスタートしたプロジェクトが、このように光溢れる作品を生み出したことがとても面白いと感じます。 『いまここ』谷川俊太郎、川内倫子/torch press
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『je suis là ここにいるよ』【新本和書定価】
¥2,640
こんなに心に染みる造本があったかな……と思える、ずっと持っていたい絵本が生まれました。 亡くなってしまって、もう姿が見えない愛するネコ。見えないけれど、いまもここにいる。 ネコを亡くしたボクはただ一人、クリーム色の本文用紙にぽつんと描かれている。 亡くなったネコは、薄い膜のような半透明の紙に描かれて、いつもと同じくボクの側にいるのに、別のレイヤーに行ってしまってボクには見えない。 それが、段々と、見えないけれどそこにいると感じられてくる。 愛する存在と死別する悲しみとそれを受け入れること、その心の流れを、造本の技法によってこんなにも心に迫るものとして表現できるなんて、素晴らしいなと思います。もちろん、素直で余計なものを脱ぎ捨てた絵と言葉が魅力的なのは言うまでもありません。 『je suis là ここにいるよ』 シズカ 作・絵/月とコンパス
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『little note』vol.1 【新本和書定価】
¥660
この小さな本『little note』は、目黒のカフェmy little happinessのオーナー大野実央さんの呼びかけで集まったメンバーが作りました。フラヌール書店の久禮も参加しています。 洋服店のlittle happinessとカフェmy little hapinessを営むご夫婦には、フラヌール書店の開業前からお世話になっています。出張本屋としてカフェスペースを即席で本屋にさせてもらっていました。 この『little note』、今回は5人が書きました。植物写真作家、誰もが名前を知っている大手電気会社のシンクタンク・アドバイザー、英語教員、イラストレーター、本屋と、よほどのことがなければ知り合えなかった多様なメンバーです。そんな他人同士が自然とつながるのはカフェという場に特有の力だと思います。そのつながりが冊子の形になった、そんな一冊です。 note 1 実はこころ 熊谷あずさ note 2 ドクターBのひとり言 廣崎膨太郎 note 3 日本語と、英語と、豊かさと まりぐら note 4 爽籟 オオノトモミ note 5 フラヌール書店より 久禮亮太 5人はある共通のテーマを持って、それぞれ好きなことを書きました。誰もテーマの文言そのものを明示してはいないのですが、お読みいただくとそれは立ち現れてくるんじゃないかと思います。 まずは40ページで小さなスタートですが、できれば季刊を目標に、続けていきたいと思います。 『little note』vol.1 A6判 40ページ
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『Hanako』大竹利絵子【新本和書定価】
¥5,000
素敵な彫刻作品集を仕入れました。 彫り跡を残し木肌の質感が温かい。でも少女、少年たちの佇まいは現実をちょっと離れた透徹した冷気のようなものあって、でもたまにユーモラスにも見える。そんな不思議で何度も自分の印象を確かめなおしたくなるゆらゆらとした魅力があるように思えます。とても好きになりました。おすすめです。 『Hanako』大竹利絵子/torch press 【出版社の紹介文より】 大竹は樟や檜、桂などを用い、彩色しない素木仕上げの木彫作品を制作してきました。少女や鳥、動物などを作品のモチーフとし、すっと立つ凜とした姿勢や、無表情ながらも深遠な強い眼差しは、まるで霊性をもつかのような神秘的な存在感を立ち表します。大竹作品の魅力は、その荒削りな木のなかに佇んでいる存在の繊細さにあります。いつかの、どこかの記憶のような夢のような人や鳥やシーンが、見る人のどこかにつながってその魅力が広がります。 本作品集では、最初期となる2006年から2022年の最新作まで、大竹の制作の変遷を辿ります。また初めて取り組んだ版画作品、これまで公開されてこなかったドローイング、そして制作過程が垣間見えるアトリエの風景をも散りばめながら、その創作の周縁を掘り下げます。木の硬質さとしなやかさに宿る幾多の生命は、生と死の間に浮かぶ曖昧な時間に漂いながらも、ずっとそこに佇んでいたかのような確かさを持ち合わせています。ディテールまでこだわった須山悠里による装丁、そして堀江敏幸、水沢勉によるテキストによって、その作品世界をさらに押し広げています。
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『作家の仕事部屋』【新本和書定価】
¥1,320
文章を書くという行為は、大作家たちにとっても一筋縄ではいかない、苦労を伴うものだったようです。 本書は、ロラン・バルト、ミシェル・レリス、パトリック・モディアノ、フランソワーズ・サガンなど25人のフランスを代表する作家、思想家たちが、それぞれの執筆スタイルや創作中の内心、文房具のこだわり、書斎の間取りのことなどを自由に語るインタビュー集。これだけの著名な知識人たちが名を連ねる一冊は稀かもしれません。 読んでいると、私たちも内なるクリエイティヴィティの小部屋への辿りつき方に気づけそうな気がしてきます。 『作家の仕事部屋』 ジャン=ルイ・ランビュエール編/岩崎力訳/中公文庫
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"My New Boots"フリップブック【新本洋書定価】
¥1,320
『おばけのこ』のテルヒ・エーケボムさんのフリップブック(ぱらぱらまんが)です。 ※『おばけのこ』はこちら↓ https://flaneur.base.ec/items/76607411 このフリップブック、小ぶりで淡い藍色の表紙がもうそれだけでかわいいんですが、おずおずとブーツを履いてみる子の動きがまたたまりません。 動いている様子を途中までtwitterでご紹介しています。ご覧ください↓ https://twitter.com/flaneur_books/status/1654337747249942530?s=20
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『デザインのアトリエ 活版印刷』【新本和書定価】
¥2,420
どんなにたくさんの文量のテキストでも手軽にデータで扱えるわたしたちの時代に、それでも活字を目と手で拾い集めて活版印刷をおこなう職人さんたちがいます。 何世紀にもわたって受け継がれ、洗練されてきた活版印刷による版面には、字体のひとつひとつ、にじみ、凹凸、余白など、立体的な造形の美しさと質感がありますよね。 クオリアを持った文字は、たんなる文章の伝達の域を超えた何かを読者に感じさせてくれます。 この絵本は、印刷職人さんが活版印刷の基本を教えてくれます。印刷以前の手書きの時代に始まって、活字の誕生からグーテンベルクの革命的印刷機への歴史をおさらいして、いざ工房へとガイド。とてもわかりやすい解説です。 4色刷りの版画がシンプル&モダンでとても素敵です。 『デザインのアトリエ 活版印刷』 ギャビー・バザン作、みつじまちこ訳/グラフィック社
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『本のある空間採集』【新本和書定価】
¥2,750
書店の売り場作りって、机上のイメージ通りになることはぜんぜんなくて、店舗の形状、什器のレイアウトといった書店地理学的な要素に規定される部分が大きくて、その次に、そのときに持ってる本で意味の群れを作る即興性や偶然性によるところが大きいなと、どんな他の書店に仕事をしに行っても私は思うんです。 とくに規格品の棚を使わない小さな本屋は、本棚の中身だけじゃなく棚そのものがブリコラージュの魅力に溢れていて、とても楽しいと皆さんも思われるのではないでしょうか。 この本には、全国のニューウェーブ個人書店の店舗や棚そのものが緻密にスケッチされ、採寸されています。ページをめくりながら、それぞれの条件下で工夫を凝らした棚(什器そのもの)を眺めていると、きっと棚の中身も面白いんだろうなと期待が高まります。 書店主というブリコルールたちの魅力が浮かび上がる素敵な本です。 『本のある空間採集』政木哲也/学芸出版社
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『とても小さな理解のために』【新本和書定価】
¥1,760
他者のわからなさや自分のなかの過剰なものを捉える言葉がすばらしく、この詩を通してもういちど自分の日常を捉えなおしてみたいと思わされます。 目次よりも前に掲げられた一篇の詩「星座」が、この詩集に通底する優しさや憂いや透徹した目やわずかに潜んでいる悪魔的な何かへのイントロとして、私たちを一気に引き込んでくれます。 本書は、詩作とエッセイだけでなく、音楽と朗読のユニットでの活動や国語教育でも活躍する詩人の第一詩集。刊行から1年、すでに第5刷となっています。 『とても小さな理解のために』 向坂くじら しろねこ社
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『エピタフ 幻の島、ユルリの光跡』【新本和書定価】
¥2,970
SOLD OUT
本当に魅力的な写真集であり、旅の記録です。 人間の消え去った「ロストワールド」で労役から解き放たれて暮らす馬たち。その馬たちも老いて、一頭、また一頭と消えつつある。人の手を離れて力強く繁茂する草木と、滅びゆく儚げな馬の群れが、幻想的な霧に包まれている。とても現実とは思えない幽玄な光景を捉えた写真の数々に心を奪われます。 北海道根室沖にあるユルリ島は、高度成長期には漁業で栄えながら、現在は人々が去り、貴重な海鳥の保護区として立入禁止の島に。かつて使役された馬たちの子孫が今は小さな群れで暮らします。群れは種馬を持たず、残された馬たちはもう増えることはない。その死にゆく存在を10年以上に渡って写真家の岡田敦は撮り続け、かつての島を知る人々、馬に関わる人々の言葉を丹念に聞き、書き残しました。 神々しい馬たちの写真と、道東の自然と格闘して昭和を生きてきた人々の生活史が重なりあい、「墓碑銘」を意味する書名に一層の重みを感じます。 白馬の眼差しを捉えたカバーも美しいですが、これを取り去ったクロス装も姿も美しく、どちらの姿で本棚に入れるか迷います。 『エピタフ 幻の島、ユルリの光跡』岡田敦/インプレス 2018年、島に暮らす馬たちの存続のため、3頭の仔馬が群れに加えられたとのこと。馬たちのこれからが気になります。
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『サペレロマンティカ』"SAPERE ROMANTIKA"【新本和書定価】
¥1,980
SOLD OUT
英語と日本語で繰り返されるひとつの詩を行き来するうちに、二つの言語のあいだの曖昧な空間に二つの光源から照らされて見える立体的な像があるような、そんな詩集です。 そして、この本は表紙のザラザラをさわる感じがたまらない気持ちよさです。 ***以下、出版元の紹介文を引用します*** 高田怜央は、翻訳者として映画、CMなどの翻訳に携わりながら、近年では詩作をはじめエッセイなどの執筆活動も行なってきました。本書は、そのような活動を行なう著者の第一詩集になります。 高田は詩作にあたり、英語の詩作と日本語訳の双方を手がけています。造本においてもそのようなスタイルを踏まえて、英語と日本語がページ毎に交互に現れる仕様を取り入れています。 "SAPERE ROMANTIKA" Leo Elizabeth Takada 『サペレロマンティカ』 著者: 高田怜央 編集: 岡田翔 寄稿: 来馬哲平、横田祐美子 翻訳: 高田怜央 デザイン: 相島大地 協力: 永井玲衣、山本浩貴 発行人: 岡田翔 発行: paper company サイズ: 173x105 mm ページ数: 72p 言語: 英・日 発行日: 2023年8月1日(予定) 仕様: セミハードカバー、オフセット印刷
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『対訳 厄除け詩集』【新本和書定価】
¥1,650
唐突に「けふ顎のはづれた人を見た」と書き出すかと思えば、加藤清正公が「ああ脱糞したい」と独白する戯曲を朗読する友人の声を長年忘れられないと言い出す。石を投げ込むなと立て札のある池に石を投げ込む。 日常にひそむユーモラスな瞬間や漂う哀愁をなんと見事に捕まえることだろうと感じる詩集です。鱒二自身の詩と、鱒二が和訳した漢詩。それらを英語対訳で読めます。 英訳を担う二人はこれまで谷川俊太郎の翻訳を数多く手掛けてきたことで知られます。 さっと気分を変えたいときに手元に詩集があるのは助かります。ニヤッとしたいときには、この一冊でいかがでしょう。 『対訳 厄除け詩集』 井伏鱒二/ウィリアム・I・エリオット、西原克政訳/田畑書店
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『おばけのこ』【新本和書定価】
¥3,520
小さな赤ちゃん靴を大切にクローゼットに仕舞って一人暮らしをはじめた女性と、小さな幽霊。二人は徐々に心を通わせながら、一緒に大きなさまよう幽霊を闇から光のほうへと導きます。無心に何かにつくすことで、ゆっくりと心が回復していく。主人公の内心の静かな流れが切なく、また温かく感じられます。 一冊を通じて落ち着きのある藍色一色の濃淡だけで表現された、ページをめくって眺めることが瞑想のようなグラフィック・ノベルです。 『おばけのこ』 テルヒ・エーケボム 著 稲垣美晴 訳 求龍堂 刊 ISBN: 978-4-7630-2308-7 【関連アイテム】 テルヒ・エーケボムさんのフリップ・ブック(パラパラまんが) "My New Boots" https://flaneur.base.ec/items/77682085
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『LISTEN.』【新本和書定価】
¥4,400
俳優の山口智子は、CMディレクター ギャリー・バッシンと二人で「本当に見たいと思う映像を作ってみよう」と、世界各地の音楽とそれを演奏する人々を記録する旅を続けてきました。それは2011年に始まり、10年をかけて26カ国を巡り、250を超える曲を収録し、31のエピソードとしてBSで放映されました。 本書は、その旅を山口の言葉で辿りなおします。世界各地の消えゆく伝統音楽を未来に伝えることを自身のライフワークだと語る彼女が、いかにこのプロジェクトを愛し、自ら土地土地の人々との関係を築き上げていったかを知ることができます。演奏者の息遣い、聴衆の眼差し、音楽の生まれる場の熱量。そんな瞬く間に消えて捉え損なってしまうような機微を、本書は伝えてくれます。 本文に添えられたQRコードで、貴重な演奏映像を観ることができるのも、本書の大きな魅力です。 『LISTEN.』 山口智子 著 生きのびるブックス ISBN: 9784910790060
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『オープン・シティ』【新本和書定価】
¥2,090
SOLD OUT
仕事を終え、電車には乗らず帰り着く時間を気にせず歩いてみる。そんなちょっとしたそぞろ歩きが、決まりきった日常から私たちを引き剥がしてくれる小さな旅になるかもしれない。この小説はそんなふうに思わせてくれます。 本書の主人公、精神科医のジュリアスは、しばしば夕暮れからマンハッタンをさまよい歩きます。目に入るたくさんの見知らぬ人たち、聞こえてくる会話や街の音、音楽は、彼の記憶と感情、思考の蓋を次々と開けます。都会に生きることの孤独とささやかな人間関係の救い、アメリカに生きる彼自身を含む黒人の過去と現在、都市の歴史、芸術の崇高さ。 歩きながら巡らす彼の思索は、時と場所を超えて自由に広がり、しかし目と耳と足で捉えた”今ここ”と強く結ばれています。日常を深い内省の旅に変えて見せてくれる一冊です。 『オープン・シティ』 テジュ・コール 著 小磯洋光 訳 新潮社 クレストブックス ISBN: 978-4-10-590138-7
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『アジア「窓」紀行』【新本和書定価】
¥2,420
「窓」に魅せられて上海からエルサレムまでアジア大陸を横断した建築学生が綴った旅の記録。 日常生活の場である家屋の内と外をつなぐ窓を丹念に調べ、土地土地の気候風土と人の暮らしの関係、人々が住まいに託す思いなど、多くのことを窓から読み解いていきます。 「家を見せてほしい」。著者のその一言から、現地の人々との思わぬ交流が広がる様子に心温まります。私たちも、窓でなくてもいい、何か物差しを持って旅をしてみたいと思わせてくれます。 『アジア「窓」紀行』 田熊隆樹 著・写真 草思社 本体2,200円+税10% ISBN:9784794226129
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『AGEHA』杉本さなえ作品集【新本和書定価】
¥6,050
イラストレーター杉本さなえさんの作品集。昨秋に刊行されていたのですが、このたび当店でも仕入れて実物に触れることができました。とても素敵です。 墨の黒と朱の2色で描かれる少女や馬、蝶、草花は静謐さと奥行きのある寓話的な世界を感じさせてくれ、絵に添えられた題名がさらに物語の続きを想像させてくれます。 『AGEHA』 杉本さなえ 果林社 ISBN:978-4-910735-00-9 本体6,500円+税10%