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『まだ見ぬソール・ライター THE UNSEEN SAUL LEITER』【和書定価新本】
¥4,180
写真家ソール・ライターは、フラヌール(都市の遊歩者)のひとりであったと思います。マンハッタンを散歩する中で目にする日常に特別な美しさや静けさを見つけ出して、スナップショットで捉えます。 ソール・ライターはファッション写真家として『エスクワイア』や『ハーパース・バザー』といった雑誌で活躍しました。その独特な色彩感覚や構図の魅力はストリート・フォトにも感じられますが、それ以上に彼の詩的な想像力は街や人々を撮るときにこそ感じられます。 この作品集は、ライターの没後に発見された一万点を超える未整理のスライドの中から、およそ10年の作業を経て選び抜かれたもの。35mmフィルムからカットされひとコマずつフレームにマウントされた膨大なスライド、そのひとつひとつに都会の物語が結晶していると思うと、膨大なスライドの入った箱の積み上がる彼の乱雑なアトリエがとても神秘的な空間のように思えてきます。 この写真集ではスライド・フィルムから大きくA4サイズほどに引き延ばされ、コダクロームやアンスコクロームなど、彼が愛用したカラーフィルムの独特の色を楽しむことができます。 フラヌール書店でも長く人気のある一冊です。 『まだ見ぬソール・ライター THE UNSEEN SAUL LEITER』 ソール・ライター/青幻舎
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『無用的芸術 フクモ陶器』【和書定価新本】
¥3,080
「繊細な絵付け、高度な技術や色づかいは名高い産地のものを彷彿とさせるし、複雑な装飾は美しい……が邪魔なことこの上ない。つまるところどれも全く実用に適さないのである。にもかかわらず、我々の心をとらえて離さない。」 「古来より日本各地でひっそりと作られてきた」といわれる伝統陶器、フクモ陶器を網羅的に紹介する初の研究書が刊行されました! フクモ陶器の研究をライフワークとしてきた福本歩さんによる分類と解説、美しい図版の数々で、謎に包まれてきたフクモ陶器の全容をわたしたちも知ることができます。 フクモ陶器の真髄はその圧倒的な「無用性」。通過させるだけの「門レンゲ」、飲んだらすぐ出る「茶碗アニマル」、幽体が連続離脱する「幽体幽体離脱像」、人類の征服欲を満たす「世界征服植木鉢」、カレーを作ったのにご飯を炊き忘れたときに役立つと見せてむしろ無用性が際立つ「ごはん付きカレー皿」など、技巧と精神性が高度に結びついた作品の数々が紹介されています。 「無用之用」と諧謔がキュートにマリアージュした世界を丸ごとお手元に置いておけるお得な一冊です。 『無用的芸術 フクモ陶器』(福本歩/大福書林) フクモ陶器のHPはこちら https://www.fukumotouki.com
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『Mo Story 子猫のモー』【和書新本定価】
¥2,750
手のひらに収まるすべてが愛らしいとしか言いようがない、とてもおすすめの絵本です。 不思議な光を追って、家族が寝静まった家を飛び出してしまった子猫のモー。 そのあどけない好奇心も、モーを助ける森の動物たちの気の良さも、彼らのすべての表情もしぐさも朴訥さも、すべてが愛らしいんです。 小ぶりで広げた手のひらほどのハードカバーというのが、また愛らしいんです。 【出版社HPより】 ある眠れない夜、子猫のモーは窓の外に見つけた”笑っている光”を追って、森へ冒険にでかけます。モーは森で出会った気さくで楽しい動物たちから、旅に出る前の準備や、初めて会う人への挨拶の仕方、気持ちを共有する方法など、さまざまな知恵を学びます。しかし、同時に動物たちは皆、森に住む恐ろしいクマに気をつけろと警告するのでした。モーはクマに出会わずに、”笑っている光”を見つけることができるでしょうか? 韓国在住の人気イラストレーター、チェ・ヨンジュが描く子猫のモーの冒険が待望の日本語化! 日本語翻訳は『大家さんと僕』などの心あたたまる漫画作品も手掛ける、芸人・漫画家のカラテカ矢部太郎が担当しました。 新たな挑戦や出会いを前に一歩を踏み出す勇気をもらえる、子どもも大人も楽しめる絵本です。 http://www.genkosha.co.jp/gmook/?p=34137 『Mo Story 子猫のモー』 チェ・ヨンジュ Yeonju Choi 作・絵 矢部太郎 訳 玄光社 刊
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『石井好子のヨーロッパ家庭料理』【和書定価新本】
¥2,420
60年代から70年代初頭のヨーロッパの街の空気感、人の温かさ、家庭料理の味と香りが伝わってくるような、充実の内容。名著です。紀行と食と人々との交流を記した名エッセイで、作りたくなるレシピ集でもあります。 1950年代からパリに暮らした歌手でエッセイストの石井好子は、デビュー・エッセイで代表作の『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』でよく知られます。その彼女が、ヨーロッパ各国の30の家庭を訪ねて、各地の街の様子、訪問先でのエピソード、振る舞われた料理のことを仔細に伝えてくれます。 どの訪問先でも、ホスト・ファミリーが料理する側で、ときには彼女も一緒に手を動かしながら、おしゃべりが弾む様子。それがなんとも温かく、素敵な映画を観ているような気分になります。 こんなふうに気取らないホーム・パーティ、やりたいですね。 『石井好子のヨーロッパ家庭料理』 石井好子/河出書房新社
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『運命の旅』 【和書新本アウトレット】
¥2,640
【新本アウトレットのため、定価の50%OFFとなっています】 ナチス占領下のパリからの脱出、スペイン、ポルトガルへの逃避行を経てアメリカ亡命、そして終戦後のベルリンへの帰還。およそ15年に渡る苦難の旅を、ドイツの大作家が振り返るメモワールです。 ユダヤ系ドイツ人のアルフレート・デーブリーンは、代表作『ベルリン・アレクサンダー広場』がジョイスの『ユリシーズ』やムジール『特性のない男』と並んで前衛小説の傑作と評価される作家。 ナチス政権下のドイツを逃れて家族と共に移住したパリが占領され、作家はさらなる脱出に迫られます。家族の離散、収容所生活といった困難を冷静な筆致で克明に振り返りつつ、哲学や信仰、内心の葛藤や家族への想いも語ります。また大戦期のヨーロッパを俯瞰する視点から、当時の緊迫した情勢を描き出します。 50代半ばでベルリンを離れ、彼が再びこの街に戻ったのは70歳。街も彼自身も大きく変わり、過去との断絶の前に立ち尽くしながらも、現実と対峙する思索を諦めません。 本書はフランクル『夜と霧』などと並んで読み継がれるべき貴重な記録なのではないかと思います。 『運命の旅』 アルフレート・デーブリーン/長谷川純 訳 河出書房新社
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【新刊予約】『茨木のり子全詩集 新版』
¥9,020
予約商品
新刊のご予約を承ります。 ●ご予約締切 :9/9 ●入荷予定 :9/29 戦後の現代詩を代表する人のひとり、茨木のり子は、来年2026年に没後20年を迎えます。 それを前に、全詩集の新版が刊行されます。 内容は、 「生前に刊行された全ての詩集、没後刊行の『歳月』、単行詩集未収録詩篇百余篇、新発見の日本語の詩と尹東柱の詩の翻訳、代表的エッセイ「はたちが敗戦」「『櫂』小史」、さらには口絵写真数十枚を収録」とのこと(岩波書店HPより) A5判 546ページの上製本で、充実した内容が期待できます。 かつては花神社から美しい白のクロス装で出ていましたが、こちらは古書価格が高騰していましたので、増補新版の刊行はうれしいニュースです。 『茨木のり子全詩集 新版』 茨木のり子 著/宮崎治 編 岩波書店
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『柳宗悦 美を生きた宗教哲学者』若松英輔【和書定価新本】
¥1,980
民藝運動の創始者の生涯を美による魂の救済という視点から読み解く評伝。器や道具を愛し、「民藝」を立ち上げた前半生と、手仕事の生み出す美の向こうに開かれた祈りと思索の世界へと分け入った思想家としての後半生を、二部構成で描きます。 「美しさを概念で語ってはならない」という若松さんの言葉と、そこへ至る道筋は、とても大切なことをを教えてくれます。 『柳宗悦 美を生きた宗教哲学者』 若松英輔/NHK出版
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『フィールドワークのちから』奥野克巳【和書定価新本】
¥1,980
「現場で人びとと過ごしながら観察する」という人類学の調査手法:フィールドワークは、いまではアートやビジネスの領域にも広がっています。その歴史や先人たちの実践、醍醐味をあらためてわかりやすくまとめてくれたのがこの本。マリノフスキ、ギアツ、インゴルドといった大家たちが何をやってきたのか、彼らの著書の読みどころも、この本が教えてくれます。 《「いまここ」を抜け出す人類学》という副題とカバーイラストが指し示すとおり、私たちに思考の枠組みの外側を気づかせてくれる、自由を感じる一冊です。 『フィールドワークのちから』 奥野克巳/亜紀書房
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『光る夏』鳥羽和久【和書定価新本】
¥1,980
私塾を経営し、教育者として研究と執筆、実践を続ける鳥羽和久さんは、既存の制度や概念から子どもたちを見るのではなく、今、ここにいる子どもひとりひとりを観察し深く関わることを大切にしてきたと、これまでのご著書から感じます。 その鳥羽さんが、もう一つのライフワークとして続けてきた旅を初の小説として綴った一冊。インドネシア、キューバ、スリランカ、メキシコ、イタリアなど、各地の歴史や文化、政治への深い理解が重層的に織り込まれ、人々との出会いや心の交流が印象的に描かれます。 旅先で交わる人々やその集まりとしてのコミュニティや国々への想像力が、教育者としての鳥羽さんの姿勢と同じ情熱の表れとして感じられます。 【出版社による紹介文】 本書に綴られる断片的なストーリーは、読むたびに印象が変わる不思議な吸引力を持っている。一つ一つのエピソードが小さく沸騰しながら、時に結び付き、時に離れて、途切れない波紋のように読んでいる自分の心奥に広がり、揺れながら漂い続ける。──解説・石川直樹 「旅とは、別の生に入っていく経験である。その土地の匂い、身体、空気、時間、言葉の訛り、まなざし、無関係な音に巻き込まれ、自らが形を失い、ひとつの地図になるような運動である。でっち上げられた死んだ関係性ではなく、生きたままそれらと交わりたいと思った」 ジャワ島、ハバナ、スリランカ、メキシコ、アッシジ、ドーヴァー、クレタ島……世界の旅先で出会った、曰く言い難い体験の数々。世界のどこに行っても自己変革が起こるわけではなく、それで人生が変わるわけでもない。それでも、旅はいつまでも面白い。晶文社スクラップブックの人気連載を全面改稿し、さらに書き下ろしを加えた、まったくあたらしい紀行文学。 "民族、宗教、言語、感覚、制度──こうした要素が異種混交的に存在する土地が好きで、そこで自分の思考が地滑りを起こすこと、「何か」を見極めるのではなく、「いったい何が起きているのか」という出来事に巻き込まれること。そういったものを求めて旅を続けてきたと思う。"(あとがきより) 【目次】 ラヤンラヤンの風 バリ島のゲストハウス ハバナのアルセニオス スリランカの教会に花束を 受難のメキシコと今村 オルセー美術館のサイ アッシジ、小鳥への説教 白い崖に立つ兵士の幽霊 その男メネラオス ハワイの神々の囁き 世界でいちばん熱い夏、光る夏 『光る夏』 鳥羽和久/晶文社
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『世界自炊紀行』山口祐加【和書定価新本】
¥2,750
世界12ヵ国、24の家庭の自炊事情を伝えてくれる旅と食のルポルタージュ。 台湾、韓国、ポルトガル、スペイン、フランス、トルコ、イタリア、メキシコ、ペルー、タイ、ベトナム、ラオス。各地で市場やスーパーに行き、訪問先の人々と料理し、食べ、おしゃべりします。たくさんの写真がその様子をより詳しく 伝えてくれます。訪問先のキッチンのスケッチも興味を惹かれます。世界を巡った末に日本の自炊事情を問い直す視点も面白く、一冊を通して読み応えがあります。著者の山口さんご自身、「世界の自炊は想像のはるか上をいく面白さと適当さで、この旅を経て、私自身の自炊観は生まれ変わったくらいに変化しました」とのこと! 『世界自炊紀行』 山口祐加/晶文社
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『宇宙の果てには売店がある』【和書定価新本】
¥1,980
SOLD OUT
「光速でパンを買ってきたので、不良達は年をとり、もう落ち着いていた。」 「実家の壁に時空の穴があるが、普段は地元の信用金庫のカレンダーを貼って隠している。」 こんな小さな本の中に、懐かしくて温かい宇宙時代の日常が封じ込められています。どのページを開いても、生活のひとコマから世界が立ち上がります。せきしろさんといえば、情景や妄想を哀愁と可笑しみのある自由律俳句の短い言葉に結晶させる名人。この本にもその魅力が詰まっています。 劇団ヨーロッパ企画代表の上田誠さんが帯に寄せた言葉、「郷愁とセンスオブワンダーと卓抜な笑い」がこの本の魅力を端的に表しています。 文庫本よりも小さい愛らしいこの本を持ち歩けば、ちょっとした隙間時間でも意識が宇宙に飛ぶのではないかと思います。 『宇宙の果てには売店がある 生活感のあるSF掌編集』 せきしろ/シカク出版
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【サイン本『リトアニア、リトアニア、リトアニア!』在本彌生【和書定価新本】
¥5,500
【サイン本をお届けします】 待ちに待った写真集が刊行されました。 旅の詩情を捉えた静謐な美しさをいつも表現してくれる写真家、在本彌生さんの10年ぶりの作品集です。 何度も通い続けているというリトアニアの自然や街並み、人々の暮らし、歴史や風習、映画や音楽を、彼の地の空気をそのまま静かに瓶詰めしたような、すこし風が流れてくるような印象の写真たちが1冊にまとまっています。 その静けさは、日常のあるときを捉えているようで、実はそこにある長い過去からの時間をすべて封じ込めているような、不思議な時間感覚(の消失)があります。 旅人の視点の先にある風景や人々は、親密さと遠さが同時にあるようで、旅の孤独と開放感の両方を帯びているようでも在ります。 リトアニア生まれの映像作家・詩人の巨匠ジョナス・メカスの表現する世界がお好きなら、この写真集もきっと好きになるはず。巻末には在本さんがそのメカスに捧げた文や彼の地の苦難の歴史を想うエッセイなどが収められています。 『TRANSIT』をはじめとした定期刊行物で印象的な写真をいつも届けてくれる写真家を、1冊にまとまった世界として手元に置いておける貴重な本だと思います。 『Lithuania,Lithuania,Lithuania!』 リトアニア、リトアニア、リトアニア! 在本彌生 (アノニマ・スタジオ刊) 出版社のウェブサイトで見る↓ https://www.anonima-studio.com/books/travel/lithuania/
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『7』トリスタン・ガルシア【和書定価新本】
¥5,280
これこそまさに「鈍器」で殴られるような作品。束幅がある(本編503ページ、2段組)という物理的な意味よりも、この現実世界の奇妙さをそのまま捉え、その全体性を小説世界に描き出した思考の強靭さにおいて、重い一撃のような大作です。 この本は、6つの中編と、その6つが結びついていく7つ目の長編からなる小宇宙。若返りのドラッグを求めて郊外の工業都市へ向かう売人の物語。元ロックスターが不思議な楽器を手にいれることから始まる、ポップミュージックの起源をアメリカ中心史観を脱して捉えなおす新たな視点に気づかせてくれる物語。トップモデルと傷を負った男をめぐる現代版『美女と野獣』。1973年にプロレタリア革命が達成されたフランスというパラレルワールドに迷い込むSF。森の中で大いなる神秘に遭遇するUFO研究家の物語。完全なるフィルターバブルともいえるドームの中で思想を同じくするもの同士が生きる分断世界を管理する「原理監察官」の物語。そして、大量の鼻血を出し七度、前世の記憶を積み上げながら生まれ変わる少年の物語。 どこをとっても奇妙な物語だけど、芸術、哲学、社会、政治など現実に私たちを取り囲む思想的課題が緻密に織り込まれていて、私たちを本の中に力強く引き込みます。 著者はアラン・バディウ、カンタン・メイヤスーらに学んだ、現代思想の新時代の旗手ともいえる哲学者。まもなく法政大学出版局から邦訳が刊行される哲学書『<私たち>とは誰か 一人称複数の哲学』も待望されています。哲学者と作家、どちらにおいても、そのスケールの大きな仕事に注目が集まっています。 『7』 トリスタン・ガルシア 著/高橋啓 訳 河出書房新社
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たんときれいに召し上がれ 美食文学精選【和書新本アウトレット】
¥1,595
SOLD OUT
【新本50%OFF】アウトレット・ブックスご紹介です。 『たんときれいに召し上がれ』(芸術新聞社) 2022に亡くなった故津原泰水さんが編者となって、明治から現代まで作家たちが書く美食の世界を集めたアンソロジーです。 36人の作品およそ500ページと、津原さんによる全作品の解題つきというボリュームで、定価の半額の1450円+税。文庫にはなっていません。 掲載作家は…… 金子國義 尾崎翠 開高健 澁澤龍彦 古川緑波 倉橋由美子 隆慶一郎 筒井康隆 山田風太郎 C.W.ニコル 谷崎潤一郎 伊藤計劃 夢野久作 芦原すなお 青木正児 上村一夫 村山槐多 南條竹則 北大路魯山人 太田忠司 三島由紀夫 清水義範 中井英夫 澁澤祐子 小林秀雄 色川武大 中島らも 内田百閒 石井好子 種村季弘 長沢節 津原泰水 森鴎外 森茉莉 夏目漱石 正岡子規 (掲載順) ※アウトレット品です。(古書ではなく)新品ですが、日焼けなどがわずかにあります。ご了承ください。
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『画家のブックデザイン』【和書定価新本】
¥2,860
本とは、長い時間をかけて何度も折に触れて読み返されることで特別なものになっていくもので、それにふさわしい装丁や造本がなされた、手工芸品とも呼べそうな素晴らしい本がかつてたくさんあった。それを教えてくれる、眺めていると美しさにため息が出てしまう一冊です。 ブックデザイナーという仕事が出来上がる以前、画家が装丁をおこなうことが多かったといいます。この本は、明治後期から昭和にかけて著名な画家たちが手がけた美装本の数々を、全ページカラーの写真で紹介します。 登場するのは橋口五葉、小村雪岱、木下杢太郎、岸田劉生、竹久夢二、恩地孝四郎、中澤弘光、川端龍子、杉浦非水、藤田嗣治、東郷青児、佐野繁次郎、棟方志功、村山知義、武井武雄、芹沢銈介、中川一政、安野光雅、司修。日本画、洋画、民藝、グラフィックデザインなど、各々のバックグラウンドと本との関わりを簡潔に解説してくれるテキストが、装丁作品と合わせて収録されています。 身近なアートの小品としての本を愛でるカタログとして、日本のモダニズムの流れを辿るデザイン資料として、これからの本づくりのヒント集として、手元に残しておきたい充実した内容です。 『画家のブックデザイン 装丁と装画からみる日本の本づくりのルーツ』 小林真理/誠文堂新光社
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『ピンクのカラス』【和書定価新本】
¥1,980
いろんな服を着てみるんだけど、何を着てもちょっと自信が持てない……。そんな気持ちを楽にして元気にしてくれる絵本だと思います。 この絵本に描かれる一羽のカラスは、圧倒的な躍動感と美しいフォルムを持っています。それは側から見ている私たちには最初から明らか。羽をピンクに塗っても、青に塗っても、私たちにはどれも美しく見えます。でも、新しい色を纏うたびカラス自身は、嬉しくなるけれど、すこし寂しくなります。他の誰かみたいになりたかったわけじゃない。そして迷いは深まる。 でも、ふとそれを振り切ることができたとき、ありのままの黒でいることが嬉しくなって、力強く羽ばたくことができます。そのしなやかに躍動するフォルムこそが美しさの源なんだということを、圧倒的な絵の力をもって私たちに感じさせてくれます。 絵を描いたのはグラフィックアーティストの牧かほりさん。フィジカルとデジタルを自在に行き来して、動的で活力のある作品を数多く生み出しています。文は松本千登世さん。エッセイスト、インタビュアーとして、女性が美しくあることについて多面的に考え発信してきました。 そのままの自分でいられるようになったとき、どの色を纏った自分もまた楽しめるようになるのかもしれませんね。 『ピンクのカラス』 文 松本千登世 画 牧かほり BOOK 212
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『some and every』【和書定価新本】
¥2,500
画家・イラストレーターの牧野千穂さんの描く猫たちは、どうしてこんなに魅力的なんでしょう。上品さと無邪気さと思慮深さが混ざり合ったような、特別な雰囲気がします。彼らのフォルムや着ているもののスタイルにもすべて独特の美しさがあります。 このあたらしい作品集『some and every』にもそんな猫たちがたくさん登場します。それに、カワウソやネズミやブタたちも少し。モノクロのパステル画に赤や黄色のアクセントが美しく映えます。 CDジャケットよりひとまわり大きいくらいの手に馴染む判型で64ページ。とても素敵な一冊です。 『some and every』 牧野千穂/nowaki この本を作ったのは京都で器と本を売っているお店、nowakiさん。 https://nowaki3jyo.exblog.jp/ ミロコマチコさんやユカワアツコさんの展示や作品集出版を手掛けています。
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『ワニがしごとにでかけます』【和書定価新本】
¥1,760
文字のない絵に豊かで温かいストーリーが流れていて、都会を行き交うたくさんの人々のドラマが垣間見える素敵な絵本です。 ひとり暮らしのワニ氏はいつものように起きてトーストを食べ、サスペンダーにお洒落なネクタイを締めて、地下鉄に揺られ、途中なじみのキオスクで新聞を買い、仕事へ向かっているようです。ヘリンボーンのコートにソフト帽の装い、なかなかのお洒落さんです。 歩いているこの街は、ミラノなのかローマなのか。無関心を装いつつ、さりげない優しさを見せる都会人たちの様子が、味のあるタッチで描かれています。 さて、ワニ氏は職場に近づいて来たようです。どんな職場へ向かっているのでしょう……? 『ワニがしごとにでかけます』 ジョヴァンナ・ゾーボリ 作 マリアキアラ・ディ・ジョルジョ 絵 BL出版
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『ドロップぽろぽろ』サイン本【和書定価新本】
¥1,430
SOLD OUT
エッセイスト中前結花さんのあたらしい本『ドロップぽろぽろ』が入りました。 【サイン本でお届けします】 「取るに足らないけれどわたしの胸に残った、ぽろぽろ涙した思い出話を集めました」という11のエピソードを集めた本作は、中前さんのうれしい涙、かなしい涙が柔らかい言葉で素直に語られていて、読んでいる私たちもじーんとしてしまいます。 でも、どのエピソードも途中で何回か笑わせに来てるんです、中前さん。ぜんぜんわざとじゃないと思うんですが、とてもナチュラルに一回笑わせてくれてからじーんとして終わる。 とってもいい一冊だと思います。 はじめに 神様のテスト アーモンドの予感 ショッキング・ピンク・ショック 梅の花 お母さーん! アドベンチャー あの朝とベーコンハンバーグ 湿布のアイス チロリン村 あなたへの旅 スーパーマンじゃない あとがき 『ドロップぽろぽろ』 中前結花 著 ちえちひろ 装画 飯村大樹 デザイン
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『帰ってきたヒトラー』上・下セット【和書新本アウトレット】
¥1,760
SOLD OUT
【新本アウトレット50%OFF】 2011年8月のベルリン、ヒトラーが突然目覚める。 そこから徐々に私たち大衆の心にある種の「目覚め」がおきる流れは、とても滑稽で可笑しくて共感もできるけれど、底知れない恐ろしさも湧き上がってきます。この可笑しみと空恐ろしさは、SNSドリブンがさらに加速する世の中に生きる私たちには深く共感できるはず。 何故かはわからないけれど蘇ったヒトラー、彼は私たちの現代にすんなりと適応し、生きはじめます。いくつかのひょんなきっかけから、彼はYouTube芸人のような存在になり注目を集め始めます。やがてTVにレギュラー出演、冠番組……と、人気者に。 人々は彼をヒトラーキャラの芸人として、ヤバいネタとして笑って観ている。でも彼自身は総統としての威厳とリーダーシップは70年前と変わらず、いかめしい調子で大真面目に考え、語ります。その一人称で進んでいく語りは流暢で古風な魅力があり、気がつけば視聴者も読んでいる私たちも、彼を好ましく感じはじめます。 実際のところ、ヒトラー自身はいわゆるネオナチのようなゴロツキではない。むしろそうであってくれた方がまだわかりやすく悪人として指弾することができたかもしれません。でも彼は、多くの面でマトモな大人物で、人たらし。彼の元に、行動を共にする人々が集まり始めます。 現代においてヒトラーと共鳴する人々とは、私たちが思い描くわかりやすい狂信者たちではないのかも知れない。では誰なのか……。私たちも周りを見回してしまいます。可笑しみと空恐ろしさがどちらも込み上げてくるスリリングな作品です。 『帰ってきたヒトラー』上・下巻セット ティムール・ヴェルメシュ/森内薫 訳 河出書房新社
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『新 荒唐無稽音楽事典』 【和書新本アウトレット】
¥715
SOLD OUT
※新本アウトレットのため、定価の50%OFFとなっています※ 【音楽評論家】おんがくーひょうろんか 常に音楽家からの暗殺対象とされているため、護身術のエキスパートである。 【ケルティック】celtic music チーフタンズがこのジャンルだと聞けば「素晴らしい音楽の宝庫だ」と思うが、エンヤもそうだと聞けば「撲滅してしまえ」と思ってしまう。 【コード】chord コードを覚えようとして、コードブックを買ってくるとたいてい挫折する。友達をつくろうとして電話帳を買ってくるようなものである。 【バスドラム】bass drum 高橋ユキヒロ先生くらいのお洒落になるとバスドラムに詰めるミュート布もアクアスキュータムとかバーバリーを使うらしい 音楽に留まらない広範な知識と虚実織り交ぜて端的に言い当てる解説にニヤリとさせられ、たまにブラックユーモアのどぎつさに当てられるこの感じは、筒井康隆『現代語裏辞典』の音楽版といえるかもしれません。 著者の高木壮太さんはファンク・バンドCAT BOYSなどでプレイするキーボードや井の頭レンジャーズのプロデューサーを務める音楽家。2014年に『荒唐無稽音楽事典』を文庫判型の私家版として刊行しました。同書はtwitter経由で話題を呼び、あっという間に完売したことを私も覚えています。 本書はその私家版に約100項目を加えて1730の項目を解説する増補版。音楽好きの方なら、どこから読んでも(たまにぶん投げたくなるかもしれませんが)きっと楽しめるはず。 『新 荒唐無稽音楽事典』 高木壮太 平凡社
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『イン・アメリカ』スーザン・ソンタグ 【和書新本アウトレット】
¥2,310
【新本アウトレットのため、定価の50%OFFとなっています】 20世紀アメリカを代表する批評家のひとり、スーザン・ソンタグには小説家の顔もありました。 19世紀末に世界的な人気を博した実在の舞台女優ヘレナ・モジェイェフスカをモデルに、母国ポーランドでの成功を投げ打って単身アメリカに移住し第二の成功を収めた女優マリーナの生涯を描いた大作。膨大な史実を織り込みながら、フィクションとして巧みに世界を再構築します。ひとりの移民女性の冒険というストーリーにはソンタグ自身のメモワールを仮託しているようでもあり、20世紀初頭の文化状況を大きく描き出すところには批評家ソンタグの視座が表れています。 翻訳はソンタグといえばこの人といえる、故木幡和枝さん。 出版社では品切れ重版未定ですが、新本美品です。 『イン・アメリカ』 スーザン・ソンタグ/木幡和枝 訳 河出書房新社 ※束幅(厚み)が40mmあるため、クリックポストではなくレターパックプラスでの配送となります
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『ウンベルト・エーコの文体練習 完全版』 【和書新本アウトレット】
¥660
【新本アウトレットのため、定価の50%OFFとなっています】 『薔薇の名前』の作者として知られるイタリアの作家・哲学者ウンベルト・エーコの遊び心が詰まった短編集です。 コロンブスの新大陸発見をTV中継スタイルでやったり、「編集者への読書レポート」という体で聖書や『新曲』、『ドン・キホーテ』なんかをコテンパンにしたり、紙幣だって印刷物なんだからと書評してみたりと、パロディの精神と技巧が大盤振る舞い。 『ウンベルト・エーコの文体練習 完全版』 ウンベルト・エーコ/和田忠彦 訳 河出書房新社
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『境界 世界を変える日本の空間操作術』【和書定価新本】
¥3,300
垣根、塀、犬矢来、障子、土間、三和土、関守石、鳥居……。 日本建築には、柔らかな境界を作り出す知恵が古くからあります。内と外、光と影、聖と俗の境界を、物理的に強固な障壁によってではなく、人の意識に働きかけるある種の「結界」を自在に操ることで、作り出します。 本書は静けさの漂う端正な写真を数多く掲載して、伝統的な美をありのままに伝えてくれます。巻末では、日本の現代建築を牽引する3人、隈研吾、藤本壮介、石上純也が、日本の伝統的空間操作術の実践として、それぞれの建築作品を開設するテキストを寄せています。 「人と人、人と物、人と自然の関係を繊細にコントロールし、調整できる建築」、「関係性の建築」が現代建築の目指す新しいスタンダードであり、日本建築はその大きなヒントになると、彼らはいいます。 私たちひとりひとりにとっても、他者と共生しやすい生活の形を考えるヒントがここにあるかもしれません。 『境界 世界を変える日本の空間操作術』 監修 隈研吾/写真 高井潔 淡交社