













『「青鞜」の冒険』森まゆみ【和書定価新本】
¥2,090 税込
なら 手数料無料で 月々¥690から
別途送料がかかります。送料を確認する
¥20,000以上のご注文で国内送料が無料になります。
ZINE、リトルプレス、ミニコミ……呼び名や方向性はいろいろとありますが、どうして私たちはわざわざ儲かりもしないのに、手作業、手弁当で雑誌なんか作るのでしょう。書くというなんとも孤独な作業を乗り越えて、原稿を持ち寄る仲間を得て、編み上がった自分たちの言葉が読者に届いていく、個が繋がっていくダイナミズムの確かな手触りが原動力なのかもしれません。
そんな雑誌作りの原点のひとつに『青鞜』があります。114年前、「新しい女」の地位と尊厳を求めて、平塚らいてうと仲間たちは雑誌『青鞜』を創刊しました。その始まりから終わりまでを丹念に調べまとめたのがこの本。らいてう、伊藤野枝、尾竹紅吉、保持研、そのほか多くの関係した人々を丹念に調査して、その等身大の姿を描いたノンフィクションです。
著者の森まゆみさんは41年前に地域雑誌『谷中・根津・千駄木』を創刊し、25年間編集にあたった人。雑誌を創刊したとき、平塚らいてうは25歳、森まゆみは30歳でした。本書の副題「女が集まって雑誌をつくるということ」は、『青鞜』と『谷根千』それぞれをめぐる状況にパラレルにかかる言葉なのです。
執筆、原稿回収、編集、広告集め、入稿、発送、経理、そしてまた次号の企画と原稿依頼……らいてうたちの『青鞜』運営は、日々の家事や恋愛・夫婦関係、懐事情などに翻弄されながら、どうにか続いていきます。それは森さんたちの『谷根千』も同じだったようです。先人への尊敬と同業者としてのストレートな批判を込めつつ、森さんは『青鞜』の冒険を現代の私たちにも地続きのものとして捉え直し、私たちは彼女たちの日々を間近で見ているように感じることができます。
平凡社から刊行されたこのハードカバーは美しい銀の箔押しが施されています。この図案は『青鞜』創刊号の表紙のもので、描いたのは長沼智恵、のちの高村智恵で、高村光太郎が『智恵子抄』に描いた妻その人です。
集英社からいちど文庫化されたものの、そちらは版元品切れ。ぜひこの上製本でどうぞ。
『「青鞜」の冒険 女が集まって雑誌をつくるということ』
森まゆみ 著/平凡社
-
レビュー
(18)
-
送料・配送方法について
-
お支払い方法について
¥2,090 税込