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『トーキョー湯けむり裸の心 品川Lover編』川上修生【和書定価新本】
¥900
「これはどこの銭湯でも同じなのだが、その日最初に全身を湯に浸すときの快楽と言ったらない。 無上の無上。 全身がジンジンジンジン喜びで満たされる。」 品川区で営業している銭湯は、今年4月の時点で20だそうです。そのうち19の銭湯を巡って、銭湯へのラブレターのごとく思いの丈を綴った銭湯ジンがこれ、『トーキョー湯けむり裸の心 品川Lover編』です。 書いたのは川上修生さん。どうやらフラヌール書店からも近い戸越銀座あたりにお住まいで、街歩きと銭湯が大好きなことがおしゃべりから察せられます(お話するのも本を見せてもらうのも今日が初めてなもので)。品川区にとどまらず、東京中の銭湯探訪を続けているといいます。 「端的に言うと、『救われた』のです。銭湯に」 銭湯探訪のきっかけをそう語る川上さんの文は、建物の細部や周りの町並み、お風呂で居合わせた人々とのささやかな交流など、消えつつあるものを大切に掬い上げるような優しさがある……とも言えますが、コミカルでテンポよく進んでいきます。カバーのイラストも川上さんが描いているのですが、このタッチのユルさそのままの文章。 銭湯で会う人々の日常だけでなく、銭湯とその周辺の街の歴史にも目を配る、散歩者の眼差しが素敵な一冊です。 『トーキョー湯けむり裸の心 品川Lover編』 川上修生
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『The Ordinary』シンボケンタ【和書定価新本】
¥1,600
どこにでもいそうなおじさんの、なんとも愛嬌のある佇まい、哀愁のある後ろ姿がとても良い! スケッチ集『CITIES AND PEOPLE』で都会の日常に埋もれた小さくて温かい人々の姿を見つけ出して描いたシンボケンタさん。彼がそれ以前に描いていたスケッチが、この『The Ordinary』です。 なんてことない毎日、見慣れた街並みや流れ去っていく人々の中に、ささやかな郷愁や好奇心、共感や安心を見つけ出すことができる。このスケッチを見ていると、そんな眼を私たちも持てるようになる気がします。 『The Ordinary』 Kenta Shimbo シンボケンタ 『CITIES AND PEOPLE』も合わせてぜひチェックしてみてください。 https://flaneur.base.ec/items/113187165
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『CITIES AND PEOPLE』シンボケンタ【和書定価新本】
¥2,200
都会に集まるお互いに交わることもほとんどない人々。その流れをずっと眺めていると、ささやかな偶然の交わりや人の飾らない素朴な所作を見つけて、心が和むことがあります。 あるいは、のっぺりとしたビル群やバチバチに作り込まれたショップのファサードの隙間に、誰の意図からもこぼれ落ちた無造作な配管や壁面を発見して、都市の隠れたレイヤーがあらわになる。それは、この街の素顔を見つけたようで、土地への愛着がぐっと増すように感じます。 このスケッチ集には、そんな小さな幸せの断片がたくさん集まっています。 「退屈な場所だな」 イラストレーターでゲーム・クリエイターのシンボケンタさんは、10年間暮らしたカリフォルニアから東京に移住した当初、そんなふうに感じていたといいます。暮らしはじめた東京に「どこか外からこの街を眺めているような」よそよそしさを抱いてしまう。 そんなシンボさんを救ったのはスケッチでした。 「街を歩き、景色や光景を見て、絵を描く」 その習慣は、彼を東京の内側に引き込んでくれたといいます。 「そんな東京へ、最初は斜に構えててごめんねという気持ちと、今の素直な愛着を詰め込んでラブレターとしてスケッチをまとめた」 それがこの本です。 きっとみなさんも目にしたことがる風景が描かれているし、今まで見逃していたかもしれない小さな幸せを探したくなるんじゃないかと思います。 『CITIES AND PEOPLE』 Kenta Shimbo シンボケンタ
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『訳者あとがき選集』(サイン本)【和書新本定価】
¥1,540
翻訳家の越前敏弥さんが、軽出版レーベル「HHブックス」を始められました。 その第一作が、この『訳者あとがき選集』です。 過去およそ25年間の訳業のなかから選び出した21作品のあとがきに、それぞれ最新の加筆と、「あとがきのあとがき」が加えられています。 読みたい作品が見つかるガイドとしても、小説家たちにまつわるエピソードや翻訳小説出版の裏話が散りばめられたエッセイとしても楽しい一冊です。 今ならサイン付きでご用意しています。 越前敏弥さんのnoteより、本作の紹介 ……軽出版(個人出版)の形で『訳者あとがき選集』(HHブックス)を刊行します。HHは翻訳百景の略で、今後はおもに翻訳の技術や周辺事情などに関する本、さらにはこの枠で刊行できる翻訳書などを無理のないペースで出していきたいと考えています。 『訳者あとがき選集』にあとがきを収録している21作品のタイトルは以下のとおりです。 はじめに この本では、わたしが文芸翻訳の仕事をはじめてから現在までに書いた「訳者あとがき」のうち、計21作品のものを選び、刊行順に並べた。選出にあたっては、ひとりの作家について1作品を原則とし、ジャンルや作品のタイプがなるべく異なるものを集めることを心がけた。それぞれのあとがきの末尾には、その作品や作者にまつわる後日談やちょっとした裏話などを追記している。 それぞれが独立した内容なので、順番に読む必要はないが、時代順にながめていくと、文芸翻訳者の仕事や日常、さらには、ひょっとしたらこの四半世紀の翻訳出版の歴史の一端が見えてくるかもしれない。 【あとがき収録作品】(刊行順) 『デッドエンド』 『飛蝗の農場』 『ボーイ・スティル・ミッシング』 『天使と悪魔』 『父さんが言いたかったこと』 『さよなら、コンスタンス』 『ダ・ヴィンチのひみつをさぐれ!』 『SIX‐WORDS たった6語の物語』 『夜の真義を』 『レーン最後の事件』 『解錠師』 『シートン動物記 オオカミ王ロボほか』 『世界文学大図鑑』 『ダイアローグ』 『大統領失踪』 『おやすみの歌が消えて』 『クリスマス・キャロル』 『天使と嘘』 『ロンドン・アイの謎』 『オリンピア』 『老人と海』 https://note.com/t_echizen/n/nf4770da1f879
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『翻訳百景ふたたび』(サイン本)【和書新本定価】
¥1,540
翻訳家の越前敏弥さんがご自身で手がける《軽出版》レーベル、HHブックスの二作目となる『翻訳百景ふたたび』をご紹介します。 『ダ・ヴィンチ・コード』をはじめとしたダン・ブラウンの作品、エラリー・クイーン、ハミルトンの『解錠師』といったミステリから、ディケンズ『クリスマス・キャロル』、ヘミングウェイ『老人と海』といったクラシックス、新しい作品ではデニス・ボック『オリンピア』など、幅広い小説に携わる翻訳家の越前敏弥さん。 この『翻訳百景ふたたび』は、対談、訳業を回想するエッセイ、読書会開催レポートと、バリエーション豊かな構成となっています。 対談では、ダン・ブラウンの一連の作品を担当したKADOKAWAの編集者(当時)と越前さんが興味深い裏話をたくさん披露します。版権獲得競争、翻訳のテクニック、同時期にブレイクした「ハリー・ポッター」シリーズへの思いなど。どれも興味深いエピソードです。 21ものエラリー・クイーン作品の新訳という大仕事を回想する章を読むと、名作の数々をあらためて読み直したくなります。 越前さんが全国を巡って精力的に続ける読書会をレポートする章では、本当にさまざまな読者の方々のリアルな姿を垣間見ることができます。 ミステリー、海外小説の読者の方々、翻訳家を目指す方々、翻訳出版に関心がある方々など、さまざまな方に気軽に面白く読んでいただける一冊です。 『翻訳百景ふたたび』(越前敏弥/HHブックス) ※HHブックス第一作の『訳者あとがき選集』もぜひ併せてご覧ください。 https://flaneur.base.ec/items/95121024 ■本書より引用 ―――― はじめに この本は『翻訳百景』(角川新書、二〇一六年二月刊)の続編にあたるが、前著を飛ばしていきなりこちらを読んでもなんの問題もない。また、四つの章のどれから読んでもかまわない。ダン・ブラウン、エラリー・クイーン、読書会、文芸翻訳などのキーワードを手がかりに、いちばん興味を掻き立てられる章から読んでもらえばいいと思う。 関連する内容のファイル、画像、動画などについては、ダウンロードや視聴のためのリンクとQRコードを各項の終わりに掲載したので、それぞれの関心に応じて、付録として楽しんでもらいたい。 目次 はじめに 第一章 その後のダン・ブラウン翻訳秘話 『インフェルノ』文庫版&『翻訳百景』刊行記念公開対談 『オリジン』とダン・ブラウン来日 次作はまだ? 第二章 エラリー・クイーンは永久に不滅です 怒濤の十六作 苦闘の五作 エラリー・クイーン長編作品リスト 第三章 読書会トラベラーの軌跡 全国翻訳ミステリー読書会の思い出 オンラインに変わっても 第四章 語学・翻訳・学ぶこと 文芸翻訳の基本と実践 翻訳出版の企画を立てるには シリーズ存続のために 英語と日本語のはざまで 翻訳で深める英文理解 知は力なり 「場を作る」ということ あとがき 初出一覧 著者プロフィール 越前敏弥(えちぜん・としや) 文芸翻訳者。全国読書会トラベラー。訳書『オリンピア』『ターングラス』『ロンドン・アイの謎』『老人と海』『クリスマス・キャロル』『Yの悲劇』『ダ・ヴィンチ・コード』など。著書『文芸翻訳教室』『翻訳百景』『名作ミステリで学ぶ英文読解』『いっしょに翻訳してみない?』『日本人なら必ず誤訳する英文』など。
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『色と形のずっと手前で』【和書定価新本】
¥2,530
SOLD OUT
「個人を描くと少なからず今の社会が見えてくる。ではグラフィックデザイナーを生業にした母親を描くと何が見えてくるだろう。自分のためにも、そしてもしかしたら私とおなじようなままならなさを抱えている誰かのためにも……」 子育てと暮らし、クリエイターとしての仕事、一市民としての社会へのコミット。ままならない日常の中でばらばらになりそうなさまざまなことを、自分の中につなぎとめて行こうとする思いが、臨場感を持って伝わってくるエッセイです。 グラフィックデザイナー、アートディレクターとしていくつもの大きな仕事を残してきた長嶋りかこさんは、38歳のときにご出産。妊娠期からの6年間の「iPhoneに溜まりまくったメモ」をもとにこの一冊を書き上げたといいます。日々の些細な出来事やそこに生じた心の機微、お子さんと一緒にどんどんと変容していくご自身の思考、これからの社会への想い。さまざまなものが渾然としつつしっかりとつながって語られます。 『色と形のずっと手前で』(長嶋りかこ/村畑出版) 長嶋りかこさんのウェブサイト https://www.rikako-nagashima.com
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『little note』vol.1 【新本和書定価】
¥660
この小さな本『little note』は、目黒のカフェmy little happinessのオーナー大野実央さんの呼びかけで集まったメンバーが作りました。フラヌール書店の久禮も参加しています。 洋服店のlittle happinessとカフェmy little hapinessを営むご夫婦には、フラヌール書店の開業前からお世話になっています。出張本屋としてカフェスペースを即席で本屋にさせてもらっていました。 この『little note』、今回は5人が書きました。植物写真作家、誰もが名前を知っている大手電気会社のシンクタンク・アドバイザー、英語教員、イラストレーター、本屋と、よほどのことがなければ知り合えなかった多様なメンバーです。そんな他人同士が自然とつながるのはカフェという場に特有の力だと思います。そのつながりが冊子の形になった、そんな一冊です。 note 1 実はこころ 熊谷あずさ note 2 ドクターBのひとり言 廣崎膨太郎 note 3 日本語と、英語と、豊かさと まりぐら note 4 爽籟 オオノトモミ note 5 フラヌール書店より 久禮亮太 5人はある共通のテーマを持って、それぞれ好きなことを書きました。誰もテーマの文言そのものを明示してはいないのですが、お読みいただくとそれは立ち現れてくるんじゃないかと思います。 まずは40ページで小さなスタートですが、できれば季刊を目標に、続けていきたいと思います。 『little note』vol.1 A6判 40ページ
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"My New Boots"フリップブック【新本洋書定価】
¥1,320
『おばけのこ』のテルヒ・エーケボムさんのフリップブック(ぱらぱらまんが)です。 ※『おばけのこ』はこちら↓ https://flaneur.base.ec/items/76607411 このフリップブック、小ぶりで淡い藍色の表紙がもうそれだけでかわいいんですが、おずおずとブーツを履いてみる子の動きがまたたまりません。 動いている様子を途中までtwitterでご紹介しています。ご覧ください↓ https://twitter.com/flaneur_books/status/1654337747249942530?s=20
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『サペレロマンティカ』"SAPERE ROMANTIKA"【新本和書定価】
¥1,980
SOLD OUT
英語と日本語で繰り返されるひとつの詩を行き来するうちに、二つの言語のあいだの曖昧な空間に二つの光源から照らされて見える立体的な像があるような、そんな詩集です。 そして、この本は表紙のザラザラをさわる感じがたまらない気持ちよさです。 ***以下、出版元の紹介文を引用します*** 高田怜央は、翻訳者として映画、CMなどの翻訳に携わりながら、近年では詩作をはじめエッセイなどの執筆活動も行なってきました。本書は、そのような活動を行なう著者の第一詩集になります。 高田は詩作にあたり、英語の詩作と日本語訳の双方を手がけています。造本においてもそのようなスタイルを踏まえて、英語と日本語がページ毎に交互に現れる仕様を取り入れています。 "SAPERE ROMANTIKA" Leo Elizabeth Takada 『サペレロマンティカ』 著者: 高田怜央 編集: 岡田翔 寄稿: 来馬哲平、横田祐美子 翻訳: 高田怜央 デザイン: 相島大地 協力: 永井玲衣、山本浩貴 発行人: 岡田翔 発行: paper company サイズ: 173x105 mm ページ数: 72p 言語: 英・日 発行日: 2023年8月1日(予定) 仕様: セミハードカバー、オフセット印刷