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『まだ見ぬソール・ライター THE UNSEEN SAUL LEITER』【和書定価新本】
¥4,180
写真家ソール・ライターは、フラヌール(都市の遊歩者)のひとりであったと思います。マンハッタンを散歩する中で目にする日常に特別な美しさや静けさを見つけ出して、スナップショットで捉えます。 ソール・ライターはファッション写真家として『エスクワイア』や『ハーパース・バザー』といった雑誌で活躍しました。その独特な色彩感覚や構図の魅力はストリート・フォトにも感じられますが、それ以上に彼の詩的な想像力は街や人々を撮るときにこそ感じられます。 この作品集は、ライターの没後に発見された一万点を超える未整理のスライドの中から、およそ10年の作業を経て選び抜かれたもの。35mmフィルムからカットされひとコマずつフレームにマウントされた膨大なスライド、そのひとつひとつに都会の物語が結晶していると思うと、膨大なスライドの入った箱の積み上がる彼の乱雑なアトリエがとても神秘的な空間のように思えてきます。 この写真集ではスライド・フィルムから大きくA4サイズほどに引き延ばされ、コダクロームやアンスコクロームなど、彼が愛用したカラーフィルムの独特の色を楽しむことができます。 フラヌール書店でも長く人気のある一冊です。 『まだ見ぬソール・ライター THE UNSEEN SAUL LEITER』 ソール・ライター/青幻舎
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『無用的芸術 フクモ陶器』【和書定価新本】
¥3,080
「繊細な絵付け、高度な技術や色づかいは名高い産地のものを彷彿とさせるし、複雑な装飾は美しい……が邪魔なことこの上ない。つまるところどれも全く実用に適さないのである。にもかかわらず、我々の心をとらえて離さない。」 「古来より日本各地でひっそりと作られてきた」といわれる伝統陶器、フクモ陶器を網羅的に紹介する初の研究書が刊行されました! フクモ陶器の研究をライフワークとしてきた福本歩さんによる分類と解説、美しい図版の数々で、謎に包まれてきたフクモ陶器の全容をわたしたちも知ることができます。 フクモ陶器の真髄はその圧倒的な「無用性」。通過させるだけの「門レンゲ」、飲んだらすぐ出る「茶碗アニマル」、幽体が連続離脱する「幽体幽体離脱像」、人類の征服欲を満たす「世界征服植木鉢」、カレーを作ったのにご飯を炊き忘れたときに役立つと見せてむしろ無用性が際立つ「ごはん付きカレー皿」など、技巧と精神性が高度に結びついた作品の数々が紹介されています。 「無用之用」と諧謔がキュートにマリアージュした世界を丸ごとお手元に置いておけるお得な一冊です。 『無用的芸術 フクモ陶器』(福本歩/大福書林) フクモ陶器のHPはこちら https://www.fukumotouki.com
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『Mo Story 子猫のモー』【和書新本定価】
¥2,750
手のひらに収まるすべてが愛らしいとしか言いようがない、とてもおすすめの絵本です。 不思議な光を追って、家族が寝静まった家を飛び出してしまった子猫のモー。 そのあどけない好奇心も、モーを助ける森の動物たちの気の良さも、彼らのすべての表情もしぐさも朴訥さも、すべてが愛らしいんです。 小ぶりで広げた手のひらほどのハードカバーというのが、また愛らしいんです。 【出版社HPより】 ある眠れない夜、子猫のモーは窓の外に見つけた”笑っている光”を追って、森へ冒険にでかけます。モーは森で出会った気さくで楽しい動物たちから、旅に出る前の準備や、初めて会う人への挨拶の仕方、気持ちを共有する方法など、さまざまな知恵を学びます。しかし、同時に動物たちは皆、森に住む恐ろしいクマに気をつけろと警告するのでした。モーはクマに出会わずに、”笑っている光”を見つけることができるでしょうか? 韓国在住の人気イラストレーター、チェ・ヨンジュが描く子猫のモーの冒険が待望の日本語化! 日本語翻訳は『大家さんと僕』などの心あたたまる漫画作品も手掛ける、芸人・漫画家のカラテカ矢部太郎が担当しました。 新たな挑戦や出会いを前に一歩を踏み出す勇気をもらえる、子どもも大人も楽しめる絵本です。 http://www.genkosha.co.jp/gmook/?p=34137 『Mo Story 子猫のモー』 チェ・ヨンジュ Yeonju Choi 作・絵 矢部太郎 訳 玄光社 刊
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『石井好子のヨーロッパ家庭料理』【和書定価新本】
¥2,420
60年代から70年代初頭のヨーロッパの街の空気感、人の温かさ、家庭料理の味と香りが伝わってくるような、充実の内容。名著です。紀行と食と人々との交流を記した名エッセイで、作りたくなるレシピ集でもあります。 1950年代からパリに暮らした歌手でエッセイストの石井好子は、デビュー・エッセイで代表作の『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』でよく知られます。その彼女が、ヨーロッパ各国の30の家庭を訪ねて、各地の街の様子、訪問先でのエピソード、振る舞われた料理のことを仔細に伝えてくれます。 どの訪問先でも、ホスト・ファミリーが料理する側で、ときには彼女も一緒に手を動かしながら、おしゃべりが弾む様子。それがなんとも温かく、素敵な映画を観ているような気分になります。 こんなふうに気取らないホーム・パーティ、やりたいですね。 『石井好子のヨーロッパ家庭料理』 石井好子/河出書房新社
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【新刊予約】『茨木のり子全詩集 新版』
¥9,020
予約商品
新刊のご予約を承ります。 ●ご予約締切 :9/9 ●入荷予定 :9/29 戦後の現代詩を代表する人のひとり、茨木のり子は、来年2026年に没後20年を迎えます。 それを前に、全詩集の新版が刊行されます。 内容は、 「生前に刊行された全ての詩集、没後刊行の『歳月』、単行詩集未収録詩篇百余篇、新発見の日本語の詩と尹東柱の詩の翻訳、代表的エッセイ「はたちが敗戦」「『櫂』小史」、さらには口絵写真数十枚を収録」とのこと(岩波書店HPより) A5判 546ページの上製本で、充実した内容が期待できます。 かつては花神社から美しい白のクロス装で出ていましたが、こちらは古書価格が高騰していましたので、増補新版の刊行はうれしいニュースです。 『茨木のり子全詩集 新版』 茨木のり子 著/宮崎治 編 岩波書店
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『柳宗悦 美を生きた宗教哲学者』若松英輔【和書定価新本】
¥1,980
民藝運動の創始者の生涯を美による魂の救済という視点から読み解く評伝。器や道具を愛し、「民藝」を立ち上げた前半生と、手仕事の生み出す美の向こうに開かれた祈りと思索の世界へと分け入った思想家としての後半生を、二部構成で描きます。 「美しさを概念で語ってはならない」という若松さんの言葉と、そこへ至る道筋は、とても大切なことをを教えてくれます。 『柳宗悦 美を生きた宗教哲学者』 若松英輔/NHK出版
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『フィールドワークのちから』奥野克巳【和書定価新本】
¥1,980
「現場で人びとと過ごしながら観察する」という人類学の調査手法:フィールドワークは、いまではアートやビジネスの領域にも広がっています。その歴史や先人たちの実践、醍醐味をあらためてわかりやすくまとめてくれたのがこの本。マリノフスキ、ギアツ、インゴルドといった大家たちが何をやってきたのか、彼らの著書の読みどころも、この本が教えてくれます。 《「いまここ」を抜け出す人類学》という副題とカバーイラストが指し示すとおり、私たちに思考の枠組みの外側を気づかせてくれる、自由を感じる一冊です。 『フィールドワークのちから』 奥野克巳/亜紀書房
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『光る夏』鳥羽和久【和書定価新本】
¥1,980
私塾を経営し、教育者として研究と執筆、実践を続ける鳥羽和久さんは、既存の制度や概念から子どもたちを見るのではなく、今、ここにいる子どもひとりひとりを観察し深く関わることを大切にしてきたと、これまでのご著書から感じます。 その鳥羽さんが、もう一つのライフワークとして続けてきた旅を初の小説として綴った一冊。インドネシア、キューバ、スリランカ、メキシコ、イタリアなど、各地の歴史や文化、政治への深い理解が重層的に織り込まれ、人々との出会いや心の交流が印象的に描かれます。 旅先で交わる人々やその集まりとしてのコミュニティや国々への想像力が、教育者としての鳥羽さんの姿勢と同じ情熱の表れとして感じられます。 【出版社による紹介文】 本書に綴られる断片的なストーリーは、読むたびに印象が変わる不思議な吸引力を持っている。一つ一つのエピソードが小さく沸騰しながら、時に結び付き、時に離れて、途切れない波紋のように読んでいる自分の心奥に広がり、揺れながら漂い続ける。──解説・石川直樹 「旅とは、別の生に入っていく経験である。その土地の匂い、身体、空気、時間、言葉の訛り、まなざし、無関係な音に巻き込まれ、自らが形を失い、ひとつの地図になるような運動である。でっち上げられた死んだ関係性ではなく、生きたままそれらと交わりたいと思った」 ジャワ島、ハバナ、スリランカ、メキシコ、アッシジ、ドーヴァー、クレタ島……世界の旅先で出会った、曰く言い難い体験の数々。世界のどこに行っても自己変革が起こるわけではなく、それで人生が変わるわけでもない。それでも、旅はいつまでも面白い。晶文社スクラップブックの人気連載を全面改稿し、さらに書き下ろしを加えた、まったくあたらしい紀行文学。 "民族、宗教、言語、感覚、制度──こうした要素が異種混交的に存在する土地が好きで、そこで自分の思考が地滑りを起こすこと、「何か」を見極めるのではなく、「いったい何が起きているのか」という出来事に巻き込まれること。そういったものを求めて旅を続けてきたと思う。"(あとがきより) 【目次】 ラヤンラヤンの風 バリ島のゲストハウス ハバナのアルセニオス スリランカの教会に花束を 受難のメキシコと今村 オルセー美術館のサイ アッシジ、小鳥への説教 白い崖に立つ兵士の幽霊 その男メネラオス ハワイの神々の囁き 世界でいちばん熱い夏、光る夏 『光る夏』 鳥羽和久/晶文社
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『世界自炊紀行』山口祐加【和書定価新本】
¥2,750
世界12ヵ国、24の家庭の自炊事情を伝えてくれる旅と食のルポルタージュ。 台湾、韓国、ポルトガル、スペイン、フランス、トルコ、イタリア、メキシコ、ペルー、タイ、ベトナム、ラオス。各地で市場やスーパーに行き、訪問先の人々と料理し、食べ、おしゃべりします。たくさんの写真がその様子をより詳しく 伝えてくれます。訪問先のキッチンのスケッチも興味を惹かれます。世界を巡った末に日本の自炊事情を問い直す視点も面白く、一冊を通して読み応えがあります。著者の山口さんご自身、「世界の自炊は想像のはるか上をいく面白さと適当さで、この旅を経て、私自身の自炊観は生まれ変わったくらいに変化しました」とのこと! 『世界自炊紀行』 山口祐加/晶文社
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『宇宙の果てには売店がある』【和書定価新本】
¥1,980
SOLD OUT
「光速でパンを買ってきたので、不良達は年をとり、もう落ち着いていた。」 「実家の壁に時空の穴があるが、普段は地元の信用金庫のカレンダーを貼って隠している。」 こんな小さな本の中に、懐かしくて温かい宇宙時代の日常が封じ込められています。どのページを開いても、生活のひとコマから世界が立ち上がります。せきしろさんといえば、情景や妄想を哀愁と可笑しみのある自由律俳句の短い言葉に結晶させる名人。この本にもその魅力が詰まっています。 劇団ヨーロッパ企画代表の上田誠さんが帯に寄せた言葉、「郷愁とセンスオブワンダーと卓抜な笑い」がこの本の魅力を端的に表しています。 文庫本よりも小さい愛らしいこの本を持ち歩けば、ちょっとした隙間時間でも意識が宇宙に飛ぶのではないかと思います。 『宇宙の果てには売店がある 生活感のあるSF掌編集』 せきしろ/シカク出版
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【サイン本『リトアニア、リトアニア、リトアニア!』在本彌生【和書定価新本】
¥5,500
【サイン本をお届けします】 待ちに待った写真集が刊行されました。 旅の詩情を捉えた静謐な美しさをいつも表現してくれる写真家、在本彌生さんの10年ぶりの作品集です。 何度も通い続けているというリトアニアの自然や街並み、人々の暮らし、歴史や風習、映画や音楽を、彼の地の空気をそのまま静かに瓶詰めしたような、すこし風が流れてくるような印象の写真たちが1冊にまとまっています。 その静けさは、日常のあるときを捉えているようで、実はそこにある長い過去からの時間をすべて封じ込めているような、不思議な時間感覚(の消失)があります。 旅人の視点の先にある風景や人々は、親密さと遠さが同時にあるようで、旅の孤独と開放感の両方を帯びているようでも在ります。 リトアニア生まれの映像作家・詩人の巨匠ジョナス・メカスの表現する世界がお好きなら、この写真集もきっと好きになるはず。巻末には在本さんがそのメカスに捧げた文や彼の地の苦難の歴史を想うエッセイなどが収められています。 『TRANSIT』をはじめとした定期刊行物で印象的な写真をいつも届けてくれる写真家を、1冊にまとまった世界として手元に置いておける貴重な本だと思います。 『Lithuania,Lithuania,Lithuania!』 リトアニア、リトアニア、リトアニア! 在本彌生 (アノニマ・スタジオ刊) 出版社のウェブサイトで見る↓ https://www.anonima-studio.com/books/travel/lithuania/
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『7』トリスタン・ガルシア【和書定価新本】
¥5,280
これこそまさに「鈍器」で殴られるような作品。束幅がある(本編503ページ、2段組)という物理的な意味よりも、この現実世界の奇妙さをそのまま捉え、その全体性を小説世界に描き出した思考の強靭さにおいて、重い一撃のような大作です。 この本は、6つの中編と、その6つが結びついていく7つ目の長編からなる小宇宙。若返りのドラッグを求めて郊外の工業都市へ向かう売人の物語。元ロックスターが不思議な楽器を手にいれることから始まる、ポップミュージックの起源をアメリカ中心史観を脱して捉えなおす新たな視点に気づかせてくれる物語。トップモデルと傷を負った男をめぐる現代版『美女と野獣』。1973年にプロレタリア革命が達成されたフランスというパラレルワールドに迷い込むSF。森の中で大いなる神秘に遭遇するUFO研究家の物語。完全なるフィルターバブルともいえるドームの中で思想を同じくするもの同士が生きる分断世界を管理する「原理監察官」の物語。そして、大量の鼻血を出し七度、前世の記憶を積み上げながら生まれ変わる少年の物語。 どこをとっても奇妙な物語だけど、芸術、哲学、社会、政治など現実に私たちを取り囲む思想的課題が緻密に織り込まれていて、私たちを本の中に力強く引き込みます。 著者はアラン・バディウ、カンタン・メイヤスーらに学んだ、現代思想の新時代の旗手ともいえる哲学者。まもなく法政大学出版局から邦訳が刊行される哲学書『<私たち>とは誰か 一人称複数の哲学』も待望されています。哲学者と作家、どちらにおいても、そのスケールの大きな仕事に注目が集まっています。 『7』 トリスタン・ガルシア 著/高橋啓 訳 河出書房新社
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『画家のブックデザイン』【和書定価新本】
¥2,860
本とは、長い時間をかけて何度も折に触れて読み返されることで特別なものになっていくもので、それにふさわしい装丁や造本がなされた、手工芸品とも呼べそうな素晴らしい本がかつてたくさんあった。それを教えてくれる、眺めていると美しさにため息が出てしまう一冊です。 ブックデザイナーという仕事が出来上がる以前、画家が装丁をおこなうことが多かったといいます。この本は、明治後期から昭和にかけて著名な画家たちが手がけた美装本の数々を、全ページカラーの写真で紹介します。 登場するのは橋口五葉、小村雪岱、木下杢太郎、岸田劉生、竹久夢二、恩地孝四郎、中澤弘光、川端龍子、杉浦非水、藤田嗣治、東郷青児、佐野繁次郎、棟方志功、村山知義、武井武雄、芹沢銈介、中川一政、安野光雅、司修。日本画、洋画、民藝、グラフィックデザインなど、各々のバックグラウンドと本との関わりを簡潔に解説してくれるテキストが、装丁作品と合わせて収録されています。 身近なアートの小品としての本を愛でるカタログとして、日本のモダニズムの流れを辿るデザイン資料として、これからの本づくりのヒント集として、手元に残しておきたい充実した内容です。 『画家のブックデザイン 装丁と装画からみる日本の本づくりのルーツ』 小林真理/誠文堂新光社
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『ピンクのカラス』【和書定価新本】
¥1,980
いろんな服を着てみるんだけど、何を着てもちょっと自信が持てない……。そんな気持ちを楽にして元気にしてくれる絵本だと思います。 この絵本に描かれる一羽のカラスは、圧倒的な躍動感と美しいフォルムを持っています。それは側から見ている私たちには最初から明らか。羽をピンクに塗っても、青に塗っても、私たちにはどれも美しく見えます。でも、新しい色を纏うたびカラス自身は、嬉しくなるけれど、すこし寂しくなります。他の誰かみたいになりたかったわけじゃない。そして迷いは深まる。 でも、ふとそれを振り切ることができたとき、ありのままの黒でいることが嬉しくなって、力強く羽ばたくことができます。そのしなやかに躍動するフォルムこそが美しさの源なんだということを、圧倒的な絵の力をもって私たちに感じさせてくれます。 絵を描いたのはグラフィックアーティストの牧かほりさん。フィジカルとデジタルを自在に行き来して、動的で活力のある作品を数多く生み出しています。文は松本千登世さん。エッセイスト、インタビュアーとして、女性が美しくあることについて多面的に考え発信してきました。 そのままの自分でいられるようになったとき、どの色を纏った自分もまた楽しめるようになるのかもしれませんね。 『ピンクのカラス』 文 松本千登世 画 牧かほり BOOK 212
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『some and every』【和書定価新本】
¥2,500
画家・イラストレーターの牧野千穂さんの描く猫たちは、どうしてこんなに魅力的なんでしょう。上品さと無邪気さと思慮深さが混ざり合ったような、特別な雰囲気がします。彼らのフォルムや着ているもののスタイルにもすべて独特の美しさがあります。 このあたらしい作品集『some and every』にもそんな猫たちがたくさん登場します。それに、カワウソやネズミやブタたちも少し。モノクロのパステル画に赤や黄色のアクセントが美しく映えます。 CDジャケットよりひとまわり大きいくらいの手に馴染む判型で64ページ。とても素敵な一冊です。 『some and every』 牧野千穂/nowaki この本を作ったのは京都で器と本を売っているお店、nowakiさん。 https://nowaki3jyo.exblog.jp/ ミロコマチコさんやユカワアツコさんの展示や作品集出版を手掛けています。
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『ワニがしごとにでかけます』【和書定価新本】
¥1,760
文字のない絵に豊かで温かいストーリーが流れていて、都会を行き交うたくさんの人々のドラマが垣間見える素敵な絵本です。 ひとり暮らしのワニ氏はいつものように起きてトーストを食べ、サスペンダーにお洒落なネクタイを締めて、地下鉄に揺られ、途中なじみのキオスクで新聞を買い、仕事へ向かっているようです。ヘリンボーンのコートにソフト帽の装い、なかなかのお洒落さんです。 歩いているこの街は、ミラノなのかローマなのか。無関心を装いつつ、さりげない優しさを見せる都会人たちの様子が、味のあるタッチで描かれています。 さて、ワニ氏は職場に近づいて来たようです。どんな職場へ向かっているのでしょう……? 『ワニがしごとにでかけます』 ジョヴァンナ・ゾーボリ 作 マリアキアラ・ディ・ジョルジョ 絵 BL出版
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『ドロップぽろぽろ』サイン本【和書定価新本】
¥1,430
SOLD OUT
エッセイスト中前結花さんのあたらしい本『ドロップぽろぽろ』が入りました。 【サイン本でお届けします】 「取るに足らないけれどわたしの胸に残った、ぽろぽろ涙した思い出話を集めました」という11のエピソードを集めた本作は、中前さんのうれしい涙、かなしい涙が柔らかい言葉で素直に語られていて、読んでいる私たちもじーんとしてしまいます。 でも、どのエピソードも途中で何回か笑わせに来てるんです、中前さん。ぜんぜんわざとじゃないと思うんですが、とてもナチュラルに一回笑わせてくれてからじーんとして終わる。 とってもいい一冊だと思います。 はじめに 神様のテスト アーモンドの予感 ショッキング・ピンク・ショック 梅の花 お母さーん! アドベンチャー あの朝とベーコンハンバーグ 湿布のアイス チロリン村 あなたへの旅 スーパーマンじゃない あとがき 『ドロップぽろぽろ』 中前結花 著 ちえちひろ 装画 飯村大樹 デザイン
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『境界 世界を変える日本の空間操作術』【和書定価新本】
¥3,300
垣根、塀、犬矢来、障子、土間、三和土、関守石、鳥居……。 日本建築には、柔らかな境界を作り出す知恵が古くからあります。内と外、光と影、聖と俗の境界を、物理的に強固な障壁によってではなく、人の意識に働きかけるある種の「結界」を自在に操ることで、作り出します。 本書は静けさの漂う端正な写真を数多く掲載して、伝統的な美をありのままに伝えてくれます。巻末では、日本の現代建築を牽引する3人、隈研吾、藤本壮介、石上純也が、日本の伝統的空間操作術の実践として、それぞれの建築作品を開設するテキストを寄せています。 「人と人、人と物、人と自然の関係を繊細にコントロールし、調整できる建築」、「関係性の建築」が現代建築の目指す新しいスタンダードであり、日本建築はその大きなヒントになると、彼らはいいます。 私たちひとりひとりにとっても、他者と共生しやすい生活の形を考えるヒントがここにあるかもしれません。 『境界 世界を変える日本の空間操作術』 監修 隈研吾/写真 高井潔 淡交社
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『トーキョー湯けむり裸の心 品川Lover編』川上修生【和書定価新本】
¥900
「これはどこの銭湯でも同じなのだが、その日最初に全身を湯に浸すときの快楽と言ったらない。 無上の無上。 全身がジンジンジンジン喜びで満たされる。」 品川区で営業している銭湯は、今年4月の時点で20だそうです。そのうち19の銭湯を巡って、銭湯へのラブレターのごとく思いの丈を綴った銭湯ジンがこれ、『トーキョー湯けむり裸の心 品川Lover編』です。 書いたのは川上修生さん。どうやらフラヌール書店からも近い戸越銀座あたりにお住まいで、街歩きと銭湯が大好きなことがおしゃべりから察せられます(お話するのも本を見せてもらうのも今日が初めてなもので)。品川区にとどまらず、東京中の銭湯探訪を続けているといいます。 「端的に言うと、『救われた』のです。銭湯に」 銭湯探訪のきっかけをそう語る川上さんの文は、建物の細部や周りの町並み、お風呂で居合わせた人々とのささやかな交流など、消えつつあるものを大切に掬い上げるような優しさがある……とも言えますが、コミカルでテンポよく進んでいきます。カバーのイラストも川上さんが描いているのですが、このタッチのユルさそのままの文章。 銭湯で会う人々の日常だけでなく、銭湯とその周辺の街の歴史にも目を配る、散歩者の眼差しが素敵な一冊です。 『トーキョー湯けむり裸の心 品川Lover編』 川上修生
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『The Ordinary』シンボケンタ【和書定価新本】
¥1,600
どこにでもいそうなおじさんの、なんとも愛嬌のある佇まい、哀愁のある後ろ姿がとても良い! スケッチ集『CITIES AND PEOPLE』で都会の日常に埋もれた小さくて温かい人々の姿を見つけ出して描いたシンボケンタさん。彼がそれ以前に描いていたスケッチが、この『The Ordinary』です。 なんてことない毎日、見慣れた街並みや流れ去っていく人々の中に、ささやかな郷愁や好奇心、共感や安心を見つけ出すことができる。このスケッチを見ていると、そんな眼を私たちも持てるようになる気がします。 『The Ordinary』 Kenta Shimbo シンボケンタ 『CITIES AND PEOPLE』も合わせてぜひチェックしてみてください。 https://flaneur.base.ec/items/113187165
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『CITIES AND PEOPLE』シンボケンタ【和書定価新本】
¥2,200
都会に集まるお互いに交わることもほとんどない人々。その流れをずっと眺めていると、ささやかな偶然の交わりや人の飾らない素朴な所作を見つけて、心が和むことがあります。 あるいは、のっぺりとしたビル群やバチバチに作り込まれたショップのファサードの隙間に、誰の意図からもこぼれ落ちた無造作な配管や壁面を発見して、都市の隠れたレイヤーがあらわになる。それは、この街の素顔を見つけたようで、土地への愛着がぐっと増すように感じます。 このスケッチ集には、そんな小さな幸せの断片がたくさん集まっています。 「退屈な場所だな」 イラストレーターでゲーム・クリエイターのシンボケンタさんは、10年間暮らしたカリフォルニアから東京に移住した当初、そんなふうに感じていたといいます。暮らしはじめた東京に「どこか外からこの街を眺めているような」よそよそしさを抱いてしまう。 そんなシンボさんを救ったのはスケッチでした。 「街を歩き、景色や光景を見て、絵を描く」 その習慣は、彼を東京の内側に引き込んでくれたといいます。 「そんな東京へ、最初は斜に構えててごめんねという気持ちと、今の素直な愛着を詰め込んでラブレターとしてスケッチをまとめた」 それがこの本です。 きっとみなさんも目にしたことがる風景が描かれているし、今まで見逃していたかもしれない小さな幸せを探したくなるんじゃないかと思います。 『CITIES AND PEOPLE』 Kenta Shimbo シンボケンタ
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『簡素な生き方』【和書新本定価】
¥1,540
SOLD OUT
「自分が持っているものに対する満足感は、持っていないものへの執着によって驚くほどかき乱されます。」 多様性の時代と言われる昨今、非常に多くの情報が毎日溢れていて、無意識のうちに関心は自分ではないところへ向いている時間が増えているように感じます。 生き方における『本質』は何なのか、何を心に留めて生きていくのか。 改めて自分の根底にある本当の気持ちと向き合える機会をくれた1冊だと感じました。 120年前も今も、人生において重要なことはシンプルで変わらないもの。 でも、変わりゆく時代の中でその重要なことを忘れてしまうことがある。 大切にしていきたいことを見失わないよう、また時間が経ってからも読み直したいと思いました。 以下、出版社の紹介ページより引用 100年前にフランスで生まれ、アメリカで100万部を突破した「うつくしい道徳」が、よみがえる。心を正す、簡素な生活とは? 精神の在り方とは? 人との接し方とは?今こそ読み直したい、心を正し、簡素に生きるための指針。 100年前にフランスで生まれ、アメリカで100万部を突破した「うつくしい道徳」が、よみがえる。 心を正す、簡素な生活とは? 精神の在り方とは? 人との接し方とは? 今こそ読み直したい、心を正し、簡素に生きるための指針。 フランス・シンプル思考の源流。 ○簡素の精神 簡素の本質とは、質素な服、住まい、ほどほどの暮らし、貧乏を指すのではない。 簡素な生活とはシンプルな暮らしではなく、あるがままの自分でいること。 人間の理想は、生活を生活そのものより偉大な宝物に変えること。 ○簡素な言葉 新聞をうのみにするな。記者は相食む蛇であり、仲間内で競争をしている。 事実ではなく利益になることを言う人の、単純化された話を信じてはいけない。 美しい言葉は着飾った奉公人のようなもので、奉公人本来の役目を果たさない。 ○簡素な義務 偉業に挑んで失敗した時ではなく、単純な義務を怠けたとき、人は魂を失う。 破産して「何一つ失うものはない」というときは、手元に残った破片を拾うこと。 窓ガラスが割れた時、犯人が見つかるまで割れたままにしておくのは愚かなこと。 ○簡素な楽しみ 戦場で一瞬、歌を口ずさむ兵士がいるように、困難のさなかにも喜びは見つかる。 喜劇を見て評論する知識人より、大笑いする庶民のほうが、楽しむことの達人。 悲しむ人に合わせて悲しい顔を作るより、その人が一粒の楽しみを見つける手伝いをせよ。 ・・・このほか、思想、欲求、ビジネス、人間関係、家庭、センスについて、いかに簡素であるべきかを提示。 *** 本書は著者が結婚式でしたスピーチがもととなっている。話に感動した列席者が出版社に勤めており、書籍化を提案。半年後にフランスで刊行された。 ルーズベルト大統領が「私たちが心に銘記すべきことをこれほど多く含んでいる書物は、私の知る限り他にはない」と絶賛したことでアメリカで100万部を超え、ヨーロッパでもさらに広く読まれた。 引用元ページ https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000189944 『簡素な生き方』 シャルル・ヴァグネル著 山本和子訳 講談社 ISBN:978-4-06-220213-8
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『朝のピアノ 或る美学者の「愛と生の日記」』キム・ジニョン【新本和書定価】
¥2,420
この234の断章は死をもって終わるけれど、そこにある静かで確かな生きる意志は、これを読んだ私たちみんなの別々の生の中に続いていく。そんな思いが湧き上がる一冊です。 「2017年7月、がんの宣告を受けた。それまで続いていたすべての日常生活は、シャッターを下ろしたように中断された。病院での闘病生活が始まり、患者としての日々が始まる。あれからちょうど十三ヶ月。この書は、その間に私の体と心、そして精神を通り過ぎていった小さな出来事の記録である。」 この日記の主、キム・ジニョンは韓国の哲学・美学者で、ヴァルター・ベンヤミンやロラン・バルトの研究者として知られています。彼が死の三日前まで綴ったこの日記は、内省の言葉、日常の描写、哲学的な思索、マルセル・プルーストやグレン・グールド、松尾芭蕉の引用がちりばめらた断章で、彼自身が翻訳したバルトの『喪の日記』を彷彿とさせます。 『喪の日記』が母を失った悲しみの中から新しい生と愛を見つけ出す試みだったように、この日記は死の迫る中にあっても生きること、他者を愛することを捉え直す試みのように読めます。 「病は自然である。わたしはいま、自分の中の自然と向き合っている。自然と向き合うということーーこれは忘れられていた原点に戻るということ、わたしの自然と新たな人生を始めるということだ。ヴィタノーヴァの時間。」 『朝のピアノ 或る美学者の「愛と生の日記」』 キム・ジニョン 著 小笠原藤子 訳 CEメディアハウス 刊
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『UNKNOWN LAKE 琵琶湖』辻田新也【新本和書定価】
¥3,630
カバーを飾るのは、琵琶湖に龍が舞い降りた奇跡の瞬間。こんなにも広い水面に細波ひとつなく、奥には岸辺まで山々が迫り、その向こうには桃色の空。神々しい光景です。 龍の雲という象徴がなくとも、この写真集に収められた琵琶湖のあらゆる姿に、静かで泰然とした神々しさを感じます。 人の営みを示すものを捉えた写真はあまりなく、ただただ多彩な琵琶湖の表情に圧倒されます。この景色を太古の昔から人々が見つめてきたことに思い至るとき、その人々の営みを想像し、時を超えて彼らと心が通じる気さえします。 琵琶湖に行きたくなります。 『UNKNOWN LAKE 琵琶湖』 辻田新也/能美舎