





『7』トリスタン・ガルシア【和書定価新本】
¥5,280 税込
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これこそまさに「鈍器」で殴られるような作品。束幅がある(本編503ページ、2段組)という物理的な意味よりも、この現実世界の奇妙さをそのまま捉え、その全体性を小説世界に描き出した思考の強靭さにおいて、重い一撃のような大作です。
この本は、6つの中編と、その6つが結びついていく7つ目の長編からなる小宇宙。若返りのドラッグを求めて郊外の工業都市へ向かう売人の物語。元ロックスターが不思議な楽器を手にいれることから始まる、ポップミュージックの起源をアメリカ中心史観を脱して捉えなおす新たな視点に気づかせてくれる物語。トップモデルと傷を負った男をめぐる現代版『美女と野獣』。1973年にプロレタリア革命が達成されたフランスというパラレルワールドに迷い込むSF。森の中で大いなる神秘に遭遇するUFO研究家の物語。完全なるフィルターバブルともいえるドームの中で思想を同じくするもの同士が生きる分断世界を管理する「原理監察官」の物語。そして、大量の鼻血を出し七度、前世の記憶を積み上げながら生まれ変わる少年の物語。
どこをとっても奇妙な物語だけど、芸術、哲学、社会、政治など現実に私たちを取り囲む思想的課題が緻密に織り込まれていて、私たちを本の中に力強く引き込みます。
著者はアラン・バディウ、カンタン・メイヤスーらに学んだ、現代思想の新時代の旗手ともいえる哲学者。まもなく法政大学出版局から邦訳が刊行される哲学書『<私たち>とは誰か 一人称複数の哲学』も待望されています。哲学者と作家、どちらにおいても、そのスケールの大きな仕事に注目が集まっています。
『7』
トリスタン・ガルシア 著/高橋啓 訳
河出書房新社
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