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『ヴェネツィアの家族』【和書新本定価】

¥2,200 税込

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「書くことを通して、記憶の階段を、一段一段、降りて行った。」
「心の整理がつかず、長年うっちゃっておいたヴェネツィアの日々が、わたしのなかでようやく、おさまるべきところにおさまりつつある……。」

何も予備知識なく、良さそうだなと思って入荷の山の中から手に取って読み始めたのですが、とてもいいエッセイでした。
著者はコピーライターとして働いたのちイタリアに留学、結婚を機にヴェネツィアに住みはじめたといいます。
夫や義理の父母、ご近所さんたちとの日常、やがて日本語教師となり、またライター、記者としてイタリアで仕事の土台を作り上げていく道程、離婚と帰国など、彼の地での10年を落ち着いた文章で回想しています。

親しかった義父と別れた夫、二人が亡くなったあとに書かれたこの文章からは、もう戻ってこない日々をとても大切に細やかに書き残しておこうとする想いが伝わってきます。

イタリア暮らしと亡き夫のの思い出というと、須賀敦子さんを思い出しますよね。著者は上智大学での学生時代に須賀さんから文学を学んだ教え子なのだそうです。その須賀さんへの想いも、一章を割いて書いています。

こう書くと、哀惜の回想録なのかとイメージされるかもしれませんが、和やかで笑ってしまうような日々の暮らしも描かれています。ヴェネツィアの方言は、日本語に例えると東北訛りのようなイメージらしく、東北弁に意訳された友人たちとのおしゃべりに吹き出してしまいます。

おすすめのエッセイです。

『ヴェネツィアの家族』
辻田希世子/社会評論社

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