『自転車日記』デヴィッド・バーン【和書定価新本】
¥3,300
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現代のフラヌール(遊歩者)が、都市とそこで生きる人々を観察し思索をめぐらせるエッセイ。
時間と空間を自由に駆け巡る彼の知性や連想の広がりが堪能できる充実した一冊です。
元トーキング・ヘッズ/ミュージシャンのデヴィッド・バーンは、ツアーで訪れる世界の街々にも自転車を持っていくといいます。
「ぼくらの価値観や希望なんてものは、ときには恥ずかしくなるくらいに読み取りやすい。店先や、博物館や、礼拝所、商店、オフィスビルのなかに、あるいはそうしたものの結びつき、または結びつきのなさというかたちで、そのままそこにあるのだ。それぞれが特有の視覚言語で『ぼくらはこれを大事だと思っている、ぼくらはこんなふうに暮らしたり遊んだりする』と語りかけてくる。こうしたもののあいだを自転車で走り抜けると、世界の巨大な心のなかの神経回路の束を辿っている気がする。それはまさしく、寄り集まって暮らす人びとの集合的な精神世界への旅だ。」
自転車がもたらしてくれる自由、移動の魅力を、バーンのこの文章がよく表現しているように思います。ちょうど良いスピードで自在に移動しながら、景色、音、匂いに触発され、連想や回想、思考がのびのびと広がっていきます。
バーンの持つアーティストらしい表現と、人類学者のように観察する目、アクティヴィストとしての理想と思想が編みあわされた、魅力的な文章です。
鹿島出版会のウェブサイトより引用
https://kajima-publishing.co.jp/books/community-development/xn8-aj50b/
自転車から広がる思考の軌跡――デヴィッド・バーン《バイシクル・ダイアリーズ》待望の邦訳!
元トーキング・ヘッズ、現在ソロアーティストとして活躍するデヴィッド・バーンは、自転車を愛するミュージシャンとして知られる。彼はツアーで世界の都市をめぐる際に、折りたたみ式自転車を持ち込んだ。
ペダルを漕ぐことでしか進めないシンプルな二輪の乗り物から見えてくる都市の表情が、旅人としてその地に降り立った著者の思考を絶え間なく刺激する。とめどなく広がる思考の軌跡は、街の人びととの交流や表現活動に触発されながら、目に映る風景をありのままに描き出す。そこには、自らの内省が織り込まれるとともに、社会、政治、経済、歴史、格差問題など、都市の抱える課題も見え隠れしている。
2000年代にいち早く、徒歩でも車でもない自転車移動の視点から綴られたこの稀有な都市論は、デヴィッド・バーンならではのユニークな洞察と先見性によって、昨今の自転車政策の課題を浮かび上がらせる。それは都市景観の証言としていまなお色あせることなく、むしろ生き生きと、社会や人びとの生き方と関係したカウンター・カルチャーとしての「自転車」を位置づける。
「そう、こうした街のほとんどでは、ぼくは大体ただの通りすがりにすぎなかった。だからそこでぼくに見えていたものがそもそも浅い、限られたもの、どこまでも個別的なものだといわれればその通りだ。この本でぼくが都市について書いている多くのことは、街を鏡にした一種の自己観察みたいなものともみなせるだろう。しかし同時に、わずかなあいだ滞在する旅人が、些細なものや表に現れた具体的な事柄を読み解くときには、もっと大きな全体像や、その街がひそかに抱える思惑のようなものが、ほとんど自然に浮かび上がってくることもあるとぼくは思っている。経済は店先に、歴史は建物の玄関口に姿を現すはずだ。顕微鏡を近づければ近づけるほど、不思議と視野が広がっていくこともあるのだ。」(はじめにより)
『自転車日記』
デヴィッド・バーン/東辻賢治郎 訳
鹿島出版会
『音楽のはたらき』(デヴィッド・バーン/野中モモ訳/イースト・プレス)もぜひご覧ください。
https://flaneur.base.ec/items/141529773
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